路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

《余録・12.23》:言い得て妙とは、このことか…

2024-12-25 02:03:30 | 【学術・哲学・文化・文芸・芸術・芸能・小説・文化の担い手である著作権】

《余録・12.23》:言い得て妙とは、このことか…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《余録・12.23》:言い得て妙とは、このことか…

 言い得て妙とは、このことか。「魂柱」と呼ばれる一本の棒が弦楽器の内部にある。表板と裏板をつなぎ、音色や響きを豊かにする。バイオリンならば直径約6ミリ、長さ約5センチ。どの楽器にも先人の知恵と技が施されている

東日本大震災の被災地と阪神大震災を経験した関西を映像でつないで行われた「サントリー1万人の第九」=仙台市青葉区で2011年12月4日午後5時37分、丸山博撮影

 ▲多数の楽器が登場するのが交響曲だ。コンサート会場には、縁もゆかりもなく、職業や年齢などがばらばらな聴衆が集う。同じタイミングで心を震わせ、ときに嘆息する

 ▲この光景を、音楽書専門の編集者で桜美林大講師の木村元さん(59)は「社会的属性が脱ぎ捨てられる場」と表現する。ライブが、理性を超えた本来の感性を呼び起こすのだろう

 ▲各地でベートーベンの交響曲「第九」が演奏されている。構想から約30年間、難聴などの辛苦を経た末の傑作である。混声合唱が付き、演奏時間は約70分と長い。そんな異形の曲が今年、世界初演から200年を迎え、日本では年末の風物詩に定着した

 ▲曲に込められたメッセージは「自由・平等・博愛」という。ベルリンの壁が崩壊した1989年の12月25日には、東西ドイツの音楽家らによる演奏会が行われた。指揮した巨匠、バーンスタインは第4楽章で歌われる「喜び」という単語を「自由」に変更し、冷戦の終結と一体感を演出した

 ▲あれから35年。国際社会に広がったのは分断だった。歌詞には、こんな言葉もある。「時流が強く切り離したものを 君の不思議な力は再び結び合わせ すべての人々は兄弟となる」。そんな指導者の出現を祈りたくなる年の瀬だ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2024年12月23日  02:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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