【天風録・12.24】:今年の言葉
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・12.24】:今年の言葉
終幕へのカウントダウンに入った2024年。本欄をにぎわせた言葉の一つが「裏金」だ。月平均2回も登場した。自民党の派閥の政治資金パーティーを巡る事件が発覚した昨年12月からだと、29回出てくる
▲疑惑を持たれた衆参議員の弁明が、ようやく政治倫理審査会で始まった。裏金づくりがいつ始まったのか。一度はやめかけたのに、なぜ、誰の判断で続けることにしたのか。肝心なところに関しては皆が口をつぐんだ
▲「裏金」はもう一つあった。始まったのはいつか、こちらもはっきりしない。遅くとも6年前から架空取引で十数億円を工面していた川崎重工業である。それを原資にした金品を、潜水艦修理に絡んで海上自衛隊に与えた疑いが浮上した
▲国内で潜水艦を造れるのは、川重を含む2社だけ。高い専門性が求められ、ほかの会社はなかなか参入できない。いつの間にか、なれ合い関係になって一線を越えてしまったのだろうか
▲川重の裏金づくりには、国税局の手が入った。悪質な所得隠しが見つかり、重いペナルティーが科せられるという。派閥の裏金問題はどうだろう。闇に沈んだ事実に光を当てぬ限り、今の政治不信の解消は望めないのだが。
元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】 2024年12月24日 07:00:00 これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます