路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説・11.15】:コミュニティーの再生 将来見据えて連帯しよう

2024-11-15 07:00:20 | 【超高齢化・過疎・孤立・認知症・人口減少・消滅可能性自治体・2040年問題】

【社説・11.15】:コミュニティーの再生 将来見据えて連帯しよう

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.15】:コミュニティーの再生 将来見据えて連帯しよう 

 地域の担い手が確実に細っていく。厳しい現実と未来図を改めて突き付けられた。

 国立社会保障・人口問題研究所は、2050年に全世帯に占める1人暮らしの割合が広島、山口など27都道府県で40%を超えるとの推計を発表した。広島の1世帯人数は今から11年後に2を割り込む。

 65歳以上が1人で暮らす割合も、50年には多くの都道府県で20%を上回る。中国地方5県の今の独居高齢者は10人に1人強だが、50年には5人に1人となる計算だ。

 人口減と高齢化は既にさまざまな問題を引き起こしている。家族に頼れなくなれば、地域とのつながりが重要になる。備えを急ぎたい。

 広島市では昨年度、新たな地域運営組織「ひろしまLMO(エルモ)」の取り組みが始まった。小学校区の町内会や社会福祉協議会が、市の呼びかけに応える形で設立。市から毎年最大で600万円が交付され、地域課題を解決するための活動を展開する。

 安佐北区のエルモ大林は、地域まつりを開いたり、住民の交流スペースを開設したりと精力的に活動する。地区内外の企業やNPO法人も加入。耕作放棄地での米作りや森林保全など、活動内容が多岐にわたるのも特徴だ。

 他の地区でも地元の小中学校や高校と連携したり、暮らしの困り事や移動を支援したり、空き家を仲介したりと実情に沿った活動が目立つ。

 中山間地域の雲南市波多地区では、住民主導の取り組みが根付く。10年前に地区内の小売店がなくなったのを受け、地元のまちづくり組織がミニスーパーを開設した。送迎付きの介護予防サービスや交流施設の管理運営を行政から受託し、住民のニーズに応えている。

 大切なのは、多くの団体や組織が運営に参加することだろう。若者や現役世代を含めた幅広い年齢層が交流を深めることで、高齢化や世代交代に対応できる。自治体職員や町内会長の奮闘だけでは早晩限界が訪れよう。多様な人材を引き込み、生かすことは地域での孤立を防ぐことにもつながるはずだ。

 課題もある。広島市でエルモが発足した地区は47。申請中の地区を含めても69と全学区の半数程度にとどまる。もともと町内会や社協の活動が活発だった地域がエルモに移行するケースが多いようだ。

 都市部や住民同士の交流が薄れた地域でどのようにしてコミュニティーを再生していくか。広島市や中国地方にとどまらず、全ての地方に共通する難題だ。先進事例を基に官民一体で知恵を絞りたい。住民の手に余る部分は、行政が積極的に補うべきだろう。

 近年は1人暮らしや高齢世帯を狙う強盗も相次ぐ。災害も頻発する。趣味や交流サイト(SNS)で簡単に他人とつながれる時代だが、緊急時に役立つのは近場のコミュニティーだ。近所は「近助」でもある。将来に備え、今から連帯を強めておきたい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月15日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【天風録・11.15】:千歳飴と... | トップ | 【倉田真由美氏】:真逆の情... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

【超高齢化・過疎・孤立・認知症・人口減少・消滅可能性自治体・2040年問題】」カテゴリの最新記事