【北斗星・10.10】:憲法7条は、衆院解散を内閣の助言と承認を受けた天皇の国事行為と・・・
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【北斗星・10.10】:憲法7条は、衆院解散を内閣の助言と承認を受けた天皇の国事行為と・・・
憲法7条は、衆院解散を内閣の助言と承認を受けた天皇の国事行為と定める。事実上は首相が判断するため「首相の専権事項」とされているのは周知の通りだ。強大な権限であり、何のための解散か「大義」が問われる
▼その中身に首をかしげたことがある。近年では2017年9月に安倍晋三元首相が臨時国会冒頭で行った解散。消費税率引き上げの増収分の使途を国の借金返済から幼児教育無償化に振り向ける。その是非を問うというものだが、所信表明も審議も行わず総選挙になだれ込んだ
▼森友、加計(かけ)学園問題がまだくすぶっていた時期だ。国会での再燃を避けつつ、合流の動きがあった野党の準備不足を突く思惑に見えた
▼今回はどうか。石破茂首相は「新政権はできる限り早期に国民の審判を受けることが重要」と「大義」を語る。予算委員会を開けないほど急がなければならない理由とは思えない。論戦時間が短く、政策の中身や前政権との違いは伝わってこなかった。衆院選に向け「国民に判断材料を提供するのは政府、与党の責任」と語っていたのは何だったのか
▼派閥裏金事件で自民党に逆風が吹く中、首相交代の「ご祝儀相場」を期待して解散を急いだと見る向きもある。新首相だから応援しようという有権者ばかりではないだろう
▼本格論戦から逃げたと批判されるのは織り込み済みだったか。だとしても、論客で知られる石破氏が弁舌を振るえる舞台を自ら封じたのは何とももったいなかった。
元稿:秋田魁新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【北斗星】 2024年10月10日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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