愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

太陽神である天照大神に「平和と繁栄、国民の幸福、被災地の復興」を祈る首相のおかしさなどなど

2012-01-05 | 天皇制

時事通信に内閣総理大臣が神様に「お祈り」したことが記事になっていた。しかしこのことのもつ意味をキチンと報道はしていない!この参拝は、それこそ火事場のこそ泥的行為ではないのか?

だいたいこの伊勢神宮参拝が始まったのは朝鮮戦争の休戦後、保守合同の年であった1955年、鳩山一郎首相(当時)の時だった。鳩山由紀夫前首相の祖父が最初だった。そして明治百年を前にした1967年の佐藤栄作首相(当時)以来、毎年、現職首相は、年始に伊勢神宮を参拝しているという。
因みに建国記念の日の日附については内閣の建国記念日審議会で2月11日にするという答申が1966年12月8日に提出されて翌日政令が公布された。その後に伊勢神宮参拝が行われたということになる。その後政治的に「慣例」化されてきた。

では何が問題か

一つには、首相と閣僚の参拝は政教分離を定めた憲法20条違反であること。この参拝費用は税金ではないのか?国民の多様な信仰心を総理大臣が天照大神という神に祈るということはおかしくないのか?

二つには、あの戦争に国民を動員するうえで大きな役割を果たした天皇中心史観に反省もないということ、大臣がこういうことを平気でやって、それを国民が批判もしない、おかしくないのか?

三つには、天皇中心史観の復活をめざす人々の動きと連動していること、そういう意味では中国の「愛国教育」「愛国主義」、北朝鮮の「金日成・金正日」信奉と同じではないか?

確かに、今の皇室をみていると、天皇中心史観なんて、非現実的かもしれない。明仁天皇は就任の時に「憲法を遵守する」と国民に誓っているのだが。

四つには、こういうひとつのものさしをつくって、それに従わない人間を排除していく風潮をつくっていくこと、教育界と大阪をみれば、明瞭だ。

五つには、このようなことを指摘するとことで、問題なしとする国民との分断と対立を図ること、

以上考えられることをあげてみた。

愛国者の邪論は伊勢神宮の参拝そのものに反対などはしない。それは個人のこころの問題だからだ。また歴史的に言えば、江戸時代には、天皇のことなどほとんど知らなかった民衆の御伊勢参りが、何度かあり、これが歴史を前にすすめてきた歴史があることも学ばなければならない。これは善光寺参りや四国巡礼、関東札所参りなどと同じである。

こういう民衆の信仰の歴史と、民衆のこころは大いに尊重されなければならないし、文化として守っていかなければならない。

村々の鎮守の杜にある神社が氏子の流出で整備もされないで朽ちている場合が多々ある。これは戦後の自民党政権の農村破壊政策の結果であることを、伊勢神宮参拝を問題なしとする風潮は忘れてはならないことだ。

問題は、こういう民衆の素朴なこころを政治的に利用することである。今回の参拝に税金が使われていること、これこそムダとして位置づけなければならない。

首相「被災地復興を祈った」=4閣僚と伊勢神宮参拝 2012/01/04-18:45
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012010400822

 野田佳彦首相は4日午後、三重県伊勢市の伊勢神宮を参拝した。首相は参拝後、記者団に「日本の平和と繁栄と国民の幸福、特に被災地の復興をお祈り申し上げた」と語った。首相の伊勢参りは新年の恒例行事。モーニング姿の首相は一般参拝客の求めに握手で応じたり、歓声に手を振ったりしながら、参道を歩いた。途中、参拝客の中から「消費税を上げるなよ」と声が飛ぶ場面もあった。参拝には安住淳財務相、一川保夫防衛相、蓮舫行政刷新担当相、中川正春文部科学相の4閣僚が同行した。(引用ここまで

首相「絆薄かった」=新党メンバーに嫌み 2012/01/04-19:42 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012010400790

残念なことだ。絆が薄かったかなと思う」。野田佳彦首相は4日午後、三重県伊勢市内で記者団に、民主党に離党届を提出した内山晃氏ら衆院議員9人が「新党きづな」を結成したことについて、党名に引っかけて皮肉った。首相は「きょう、新党をつくったんですか」と記者団に聞き返し、「われわれは民主党として、結束して頑張っていきたい」と語った。新党に参加したメンバーについては「私も公認決定に深く関わった人や、何回も(選挙の)応援に行った人、誰も弁士がいない時に泣きつかれて(応援に)行った人とかがいる」と嫌みも。(引用ここまで

離党した議員の「絆」は野田首相より国民との「絆」の方が太かったということになるのでは?逆に言えば、野田首相は国民との「絆」を捨てたのではないか?そんなことが嫌みから判ってしまった!

メディアは、以上述べてきた問題点をきちんと指摘すべきだろうし、野田首相の行くところには、参拝客の中から「消費税を上げるなよ」と声が飛ぶ場面などのような国民の批判的声があることももっとキチンと報道すべきだろう。

アマテラスムラの鎮守の神様と広がる格差睦仁爾来
あの頃はムラの鎮守の神様の前にて誓ふ一味同心

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