愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

民主が自民案を!政権交代可能の二大政党制破綻を見る日に二人の「巨人」について

2012-01-18 | 日記

今日は別の目線から記事を書いてみる。実に唸ってしまった。

一人は 最後の作品といわれ、「一枚のハガキ」を作成し、キネマ旬報1位を機に、100歳でまた映画をつくると「宣言」した99歳・新藤兼人監督さん

もう一人は100歳を越して、さらに10年の計画をもって世界を駆け巡っている日野原重明さん

新藤兼人さんに聞いた いかなる正義の理由があっても、戦争には反対するhttp://www.magazine9.jp/interv/shindo/shindo.php
僕は、いわゆる「戦争反対」と言っている人たちとは、少し次元が違うんです。32歳で召集され、戦争の中身を体験して帰ってきているわけですから。
 僕が、戦争になぜ反対かと言うと、それは“個”を破壊し、“家庭”を破壊するからです。みんな、戦争は良くない、反対だと、口癖のようにいうけれど、そういった、戦争の本来の原点から言っている人は、あんまりいないんじゃないでしょうか。
 『陸に上がった軍艦』は、それを山本監督がやってくれた。私はシナリオを書き、出演して証言をしていますが、そのうえ監督をするとですね、私の主観的なものになるでしょ? すると他人から「これは嘘じゃないか、新藤君」と言われてもしょうがないことになる。
 でも戦争を体験したことのない若い監督が、このシナリオを演出するとなると、客観的なものが出てくる。そういう意味でも、今回は私がやらずに、山本監督にやってもらったということなんです。勿論、これはプロデューサーが、意欲を持って取り組んでくれたから、できた映画なんです。とにかく戦争を、二等兵から見上げた戦争日記のようなものを、みなさんに知ってもらいたいと思ったんですね
僕は、昭和19年、松竹のシナリオライターとして仕事をしていた時に招集されました。32歳だから、老兵です。帝国海軍二等水兵として呉海兵団に入りました。そこで100人の隊に編成されました。それはいわゆる掃除部隊でした。最初に天理市にいって、1ヶ月ほど予科練が入る施設の掃除をして、そこの掃除がすむと、上官が勝手にクジを引きます。クジで決まった60人は、フィリピンのマニラへ陸戦隊として就くよう出撃命令が下ります。しかしちょうどそのころは、アメリカ軍は沖縄に向かっており、マニラではすでに日本軍は敗走しているわけです。そこへ行け、という命令なんだけれど、ほとんど意味がない。その60人は、マニラ・フィリピンに着く前に、撃沈させられたようです。
 僕らは二等兵として招集されたから、軍隊では一番下の位でしてね、天理での掃除がすんだから、余分な兵隊たちを処理しなくてはならない、という意図があったのかどうか知らないけれど、100人のうちの60人は、実際そういう目にあって、死んでいます。
 残った40人のうち、上官がまたクジをひいて30人が潜水艦に乗せられ戦死します。そして私を含むその10人が残り、宝塚の予科練航空隊に入り、雑役兵として掃除をさせられていましたが、そのうちの4人は、日本近海を防衛する海防艦に乗せられます。最後に残った6名だけが、宝塚で生きて終戦を迎えます。
 僕と一緒に召集されたのは、30歳も過ぎたものばかりだから、みんな家庭の主人なんだ。主人が亡くなってあと、家庭はどうなりますか? 悲惨な運命です。
 しかし、当時の軍隊は、いちいち家庭の破壊のことを考えていては、戦争はできない。軍の司令部は、俺達が国をまかなっているという意識であり、要するに、一人の人間の権利なんて考えていません。しかし、実際に戦争を戦うのは、みんな個人なんだ。そして、ひとり一人の個には家族がある。
 だから戦争は、個の立場から考えると、まったくやってはいけないこと。いかなる正義の理由があろうとも、やってはいけないことなんです。国家として平和を守るということは、つまり国民の、一人ひとりの個の平和を守ることなのに、まるっきり逆のことをやっている。そういう観点からぼくは戦争を見ているし、そういう角度から見て、ぼくは戦争反対なんです。その理由から憲法9条も変える必要はないと思っているのです忠誠とか、正義とか、名誉の戦死だとかということになっていますが、戦争にそんなものはない。しっかりとした思想のもとに戦争するということは、ないですからね。間違った戦争をやって、どんどん死んでいって300万人あまりが死んでいった。司令部の作戦の誤りで、硫黄島やアッツ島で玉砕するとか、そういうこともたくさんありました。
 その人たちの、玉砕した人たちの瞬間の様子を想像してみてください。その瞬間は、国家とか天皇のためとかではなく、一人の家庭人として、一人の人間として、突撃していっているわけです。その心境を思ってみなきゃいけないですね。絶望的に死んでいくわけですよ。
 人間はどうやって死ぬかということは、人間の持っているひとつのテーマでしょう? 誰もが考えてますよ。できるだけ長生きしたいとか、ぽっくり死にたいとか、平和にやすらかに死にたいとか、家族や子供たちみんなに見守られて死にたいとか。そういうのは人間の大きなテーマなんですね。
 それが、戦争によって取り上げられちゃう。人の一生の大切なテーマが、メチャクチャにされてしまうということです。
憲法9条は、敗戦したからこそ、こういういいものが生まれたわけでしょ。戦争に勝つとか、勝たなくとももう少しいい立場で終わっていたら、こういうものはできませんよ。要するに人類の永遠の命題ですね。国家として交戦権と軍隊を放棄したということは、ひじょうに立派なことでね、なかなかそんな発言はできるもんじゃないですよ。それを国家としてできたということは、戦争をやったことによる、わずかな宝ですね。だから戦後はこれをしっかりと守っていかなければならない。そして、憲法9条がなぜ生まれたかをよく見つめるということは、戦争をきちんと考えることなんですね。
国家による戦争は、家庭を破壊するんだということを、一人ひとりの人間の原点に立って、考えなきゃいけないですね。
 みんな憲法9条を守らなきゃいけないと言うけれど、もちろんそれは、いいことなんだけれど、僕みたいに第二次世界大戦を体験した人はですね、もう切実ですよ。100人のうちの94人が死んで、6人しか生き残っていない。僕もクジが当たっていたら、死んでいた。そしてそれは、僕のいた隊だけのことだけではなくて、日本全国全ての隊でこういう風なことになっていたわけです。そして死んだ男の家族たちは、みんな何らかの形で破壊されていったでしょう。大黒柱を失って、愛する人を失って、二度と立ち上がれない人なんかもいたかもしれない。それを、名誉の戦死、だとか言っちゃいけないね。名誉でもなんでもないんだ。みんな絶望的に死んでいったんだから。

参考記事
99歳の新藤兼人監督『一枚のハガキ』を天皇陛下が御高覧 2011年7月13日 MovieWalker
http://news.walkerplus.com/2011/0713/23/
「一枚のハガキ」 99歳・新藤兼人監督“最後の作品”
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110805/ent11080507470003-n1.htm


「日野原新世紀」に向けて 下
100歳・私の話 あるがまま行く 日野原重明 聖路加国債病院理事長 「朝日」(12年1月14日)
 私は前回のこの欄で、今年101歳を迎える私にとって、新世紀への約束、決意=コミットメントをすることが、私に与えられた使命であろうと述べました。今回は、具体的に例を考えているかをお話ししましょう。
 この連載でもたびたび書いてきましたが、若い世代に対して私たち年長者が出来る最も大事なことは、平和な世界を残すことでしょう。私か10歳の子どもたちに続けている「いのちの授業」でも、平和はいつも大きなテーマです。彼らが10年後に成人した時、平和の必要性をしっかりとその胸に抱いていてほしいと願い、語りかけています。
 私は、平和の礎を築くために、戦争放棄を明文化した日本の「憲法9条」は大きな役割を担うと考えています。もし今後、憲法9条改正が国会で可決されたとしても、国民投票で国民の過半数がNOと言えば改正はできません。確固たる平和への意識を持った若い国民が育つことは、私の悲願です。
 私はこれから、日本の選挙権の行使年齢を、現行の20歳を17歳または18歳に引き下げる運動をするつもりです。選挙権を早くから持てば、社会に積極的にかかわる意識が育まれると考えているからです。
 しかし日本には、平和構築の決断力と実行力を備えた政治的なリーダーが不在なのは否めません。そのリーダーの候補となる女性の育成にも努力していきたいと思っています。
 沖縄の普天開基地の問題も、平和に向けて解決しなければならない重要な課題です。私は以前から、沖縄住民にこの先10年の猶予期間をもらい、その間に在日米軍が撤退し、自衛隊も武器の使用を放棄する、という提案をしてきました。軍備のない自衛隊は、世界で事故や災害が起こった時、医療班を伴って真っ先に出動し救援活動に従事します。私は日本から武器をなくすことこそ、世界平和への第一歩だと信じ、110歳まで生きて、この運動に全力を注ぎたい、そう考えています。
 こうした活動への賛同者をひとりでも多く得るためにも、65歳以上を老人とせず、少なくとも85歳までは自立した生活が続けられるよう健康運動のキャンペーンを日本中に広げたいという思いも新たにしています。

一世紀(ひとせいき)生きたる人のコツをみる平和のためにコツコツ生きる
9条を活かせと語る老人に唸り膝打ち唇(くち)をしむ

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