「朝日」(1月8日付)星浩編集委員が「消費増税再生の一歩に」と題する「論文」を書いている。
「朝日」の立ち居地はすでにハッキリしているが、一言、二言言いたくなったのでメモしておこう。以下みてみよう。
>野田佳彦首相は「国債の長期金利が跳ね上がったら、政治の力ではコントロールできない」と周辺に語っているが、その危機認識は正しい。
「長期金利が跳ね上がる」なんて、また脅し?しかも「政治の力でコントロールできない」って、それをやるのが政治の責任ではないだろうか?円高・円安もコンロトールできないって言ってるようなもので、経済対策はできないってことを言ってるようなものだ。これって政権担当能力のなさを自ら証明しているようなものだ。
こういう「脅し」はもういい加減にやめたらどうかと思うが、マスコミに期待するのはムリだろうか?、そこで、以下の記事があったので掲載しておく。
菅首相は、全く的外れ ギリシャの財政危機から何を学ぶのか?2010年7月2日(金)「しんぶん赤旗」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-07-02/2010070204_01_1.html
>国会議員の報酬や定数を減らす。国家公務員の給与を引き下げる。政府の関連組織の統廃合を断行する。そうした歳出削減を大胆に進めるべきだ。富裕層への課税強化も必要だ。ただ、それで捻出できるのは数兆円規模だろう。年に40兆円を超える国の借金には遠く届かないのが現実だ。
これが増税の理由とは呆れる。消費税増税で、借金は減らせるというのだから。
「内閣府の試算では、15年度に消費税率を10%にしても基礎的収支の黒字化は難しく、さらに7%程度の増税が必要」(京都新聞1月7日付社説)との指摘もあることを強調しておこう。
そう言えば、戦争費用を捻出するために「財政難」を創出して公務員賃金を削減した日清戦争の時、昭和恐慌の時と同じ発想かもしれない。「聖域」を設けて、そこには絶対に眼を向けさせない手法だ。
当時と今とでは同じではないだろけれども、「増税の前に身を削る」対象として国会議員・地方議員・公務員を槍玉にあげる論法は、本当に身を削らせるところを後景においやっていく眼くらまし戦法だ。「大儲けしている1パーセントこそ、身を削れ」だろうか?対抗できるコピーは?
>中高年齢者に比べて、若者向けの支援策が手薄なことは明らかだ。雇用、子育てといった分野に予算を振り向けなくてはならない。その原資として消費増税分を活用するのだ。経済成長、歳出削減と消費増税を同時に進めて社会保障を整えていく。その第一歩を踏み出してもらいたい。
雇用に予算を回すってどういうこと?公務員はカットして、非正規を野放しにしておいて、「民間」にどう雇用を保障させるというのか?雇用は企業の責任ではないのか?非正規労働者の雇用を保障させる政治はどうするのか?
また増税で景気が冷えてしまって、どう経済成長をするというのか?
歳出削減は、「国会議員の報酬や定数を減らす。国家公務員の給与を引き下げる。政府の関連組織の統廃合」の断行だけか?
歳入は「富裕層への課税強化」だけか?
これだけでは財政再建は出来ないと言っていることと同じではないのか?
>メディアが「増税を容認する」ことへの疑問はあるだろう。しかし、先進各国で財政赤字が膨らみ、危機からの脱出策を探っている現在、メディアの役割は「監視」だけでは済まない。国の再生に向けて、政治に「結果」を求める・・・そのための材料を提供し、時には警告を発することがメディアに求められる
後ろめたさがあるのだろうか?しかし、肝心なところに眼を向けさせないのだから、「監視」にもなっていないな。また「材料」があまりに乏しくないのか?富裕層の実態を具体的に示した「材料」を提示しないのか?大企業優遇の税制・財政・金融政策は?低率法人税や軍事費はどうなんだ?アメリカだった削減すると言っているのだ。
そこで参考になる記事を紹介しておこう。
格差を縮める 「消費税政局」より大事なこと 愛媛新聞社説2012年01月05日(木)
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201201057535.html
>1年で20万人以上も人口が減り、働く人の3人に1人は非正規労働者。夫婦と子2人の「標準家庭」は既に少数派で、今は1人暮らし世帯が3割を超えた。16%もの国民が貧困に苦しみ、来年中には高齢者が25%に達する。20年後は3人に1人が生涯未婚―
これらの国民に増税を課して、果たして財政再建は可能か?今必要なことは国民の懐を温めることではないのか?
昨日、ある30代前半の若者が言っていた。彼は昨年失職。ようやく見つかった職は期限付きの非正規。職を変えようにも、職がないという。彼は「若者が車を買わなくなった」マスコミが報じていたことに対して、「車を買うにも、そのカネがない」と言っていた。
そう言えば高校生や大学生の就職内定率もひどい。彼らに生活の糧を与えないで増税!
消費税増税論議− 「大新聞は国民の敵」 (2011-09-04再掲)2012年1月14日0:11:22 | shavetail1という興味深い記事があった。http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/rss
>宍戸氏は消費税率を5%引き上げれば5年目にGDPが約45兆円減少するという試算をまとめている。「国内の代表的なシンクタンクの多くは私と同じく増税が経済成長にマイナスという試算を発表している。内閣府の試算だけが違う結果なのは、悉意的な経済モデルを使っているからといわれても仕方がない。政府やメディアがそうした試算で増税の影響はないと判断するのは危険です」
と語っているが、消費税は投網のように国民から税金を集めるのに手っ取りは早いので、安易に課税しようとしているのではないか。同時に約40パーセントもの非正規労働者を使って大儲けしたカネを適正に労働者に分配せず、政治家・高級官僚で山分けしている構造をマスコミは温存しているのではないか?
そこにこそメスを入れる「材料」を提示する責任があるのではないか?
こんな簡単なことが判らない?いや判っているのだろう。だから必死になって毎日毎日「増税しなきゃ破綻する」って叫んでいるのだろう。マスコミのウラにいるスポンサーに精も魂も売り果たしているのだろう。
そこで星編集委員の記事について批判されている文章を掲載しておこう。
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/da899ff8f6b38c285497fe3355d572d7
もう一つ、興味深い議論が国会でなされていたことも。
菊池英博公述人:消費税抜きでの税収増を考えるべき|第174回国会予算委員会公聴会
http://www.asyura2.com/10/senkyo81/msg/283.html
増税を言えば言うほど墓穴を掘る仕事人日々信失う
今日もまた政官財に学と報ミンミンゼミのごとなきにけり