「朝日」(21日付)によれば、「1兆円を超える社会保障費を賄うため、孫子の代まで、将来のために消費税の増税を」とするテーゼが全くのウソであったことが判ってしまった!
というか、ゴマカシが効かなくなったということだ。具体的にみてみると、
岡田氏説明の転換主導 増税分を社会保障へ 野党の追及必至
野田政権は20日、社会保障以外の目的には使わない方針を決めた。これまで、増収分はすべて社会保障目的にするとしながら、一部に社会保障以外の支出も含まれていた。
岡田氏は20日の会見で「前の説明(菅政権が昨年6月に一体改革の成案をまとめた時に決めたもの)は、私にはわからなかった」と語った。
1%分の引き上げは、政府の物品調達費の支出増に充てる、支出増に回す2兆2千億円のうち、実際に社会保障費と言えるのは9千億円程度。残りは、地方自治体の支出に7千億円、公共事業費に2千億円、防衛費と文教・科学技術振興費に1千億円ずつ、その他の経費に2千億円程度を配分する、と説明していた。この枠組みをつくったのは財務省だ。
だが、「社会保障の目的化」をうたいながら、公共事業や防衛費にも使われることに、民主党内からの反発が強まる。消費増税法案の素案取りまとめに向けた昨年末の議論では、「戦車の購入などにも増税分を使うのか」といった批判が噴き出した。
こうした声を受け、岡田氏は16日、事務方に従来の説明を見直すよう指示。財務省は当初、難色を示したか、最終的には「5%の全額を社会保障費に充てる」と変えた。財務省幹部は「『全額を社会保障費に使うんじゃないのか』と言われて国会が止まるより、『なぜ説明を変えた』と批判される方がましだ」と打ち明ける。
消費税の増収分の使い道から外れることになった社会保障以外の支出増について、岡田氏は会見で「他の一般会計の歳入でまかなう」と説明した。
5%引き上げで見込まれる増収は13兆5千億円。このうち1%分(2兆7千億円程度)を子育て対策や医療・介護の充実といった「社会保障の充実」、残りの4%分は基礎年金の国庫負担分や高齢化に伴う社会保障費の自然増分を賄うことなど「社会保障の安定化」に充てる。そのうえで、基本方針に「増税分は全額社会保障財源化し、国民に還元。官の肥大化には使わない」と記し、社会保障目的に使うことを明確にした。
チョッと待った!これで政権として説明がつくのか!まず、これまでのウソをどう説明するのか?消費税増税分を今さら社会保障費に充てるというが、菅政権の、これまで増税分を回すとしていた防衛費などは、どうするのか?止めるのか?そうであるならば、まだマシだ。だが防衛費を削減するとなれば、その分を社会保障費に回せば良いのではないかということになる。そうではないだろう。軍事費を減らして社会保障費や教育費に回すなどということは絶対にあり得ないだろうな、この間の経過をみれば。
しかも、だ。以下のような行き当たりバッタリ策を口走る財務相がいるのだから、この政権の政策は、ホントに信用できない。
消費増税「住宅減免したい」 安住財務相が地方説明会
http://www.asahi.com/politics/update/0121/TKY201201210326.html
財務省は21日、「社会保障と税の一体改革」の地方説明会を始めた。仙台市の会場では、消費増税の住宅購入への影響を心配する声が上がり、安住淳財務相が終了後に「減免措置をしたい」と報道陣に述べた。
安住財務相 社会保障切り明言「すさまじい痛みでもやる」 2012年1月16日(月)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-01-16/2012011602_02_1.html
安住淳財務相は15日、消費税率10%への大増税だけでなく、「トータルで社会保障を抑制していく」「(社会保障で)痛みを伴うものについてもやらざるをえない」と繰り返し強調しました。フジテレビ系番組「新報道2001」での発言。「社会保障の維持・充実のための消費税増税」という政府宣伝のごまかしを認めたものです。
政権のウソ、というか財界の使い走り政権のウソがハッキリしたということだ。
「社会保障充実のためにも消費税増税を」はウソだった。そればかりか、「消費税増税で社会保障の充実」もウソだったことだ。
さらに消費税の福祉目的税化もとんでもないウソだということも、はっきりさせなければならないだろう。
一つには、
憲法は平和と福祉を重視しており、支払った税金を福祉、社会保障など生存の確保に充当することを前提にしている。つまり、租税のすべてが「福祉社会保障目的税」
ということを曖昧、形骸化するということだ。
http://www.cminc.ne.jp/hospital/zaiseiakaji081003.htm
もう一つは、消費税=「福祉目的税」の設置後、今度は社会保障費が不足してくれば、消費税は、また増税されるということになる。同時にピッタリの場合は、これまで社会保障に使われていた予算を他の予算に回せることになる。これでは軍事費や公共事業費を保障する打出の小槌だな。
「財政危機だから社会保障が危ない」と煽ってきたことで、国民の中に「増税は仕方がない」というムードがある一方、「ホントに社会保障に使われるのか」という政治不信を利用した、悪賢い地頭のようなもので大変なゴマカシ、ウソとペテンです。
ま、今後民主党は割れるだろう。仙石氏の小沢批判、小沢氏の首相批判は、エスカレートしていくだろう。
だが、この政界再編の動きの背後にある国民の要求を、どの政党・勢力が担っていくか、それが問題だろう。旧い政治の枠組みを温存したままの再編か、それをホントの意味で打破する枠組みか、だ。
だがこういうゴマカシをマスコミは徹底して追及していくか!しないだろう!!
あとは国民的運動しかあるまい!
腐りかけ卵の黄身の色あせる美味し卵のあるを探さむ
雛一羽殻を破りて出でにけり徳川倒す世直しのごと