バッシングはさまざまな主張が並立するのが民主主義社会に反する!
「美味んぼ」バッシング旋風が撒き散らされましたが、別の視点で意見表明が出てきました。大変喜ばしいことだと思います。以下、関心のある部分のみ掲載しておきます。
JCAST 「美味しんぼ」叩きに「疑問」の声 茂木健一郎「特別視する理由がわからない」松本人志「漫画家さんが神」 社会 2014/5/13 コメント 44
茂木健一郎氏は…「美味しんぼ」は原作者(雁屋哲氏)が強い信念を持って描いている漫画だと認識していると言い、「その延長線上で言えば、今回の福島の原発事故被害について、あのような表現をしても、意外ではないし、むしろ、ああ、おやりになるだろうなという印象しか、私は持たなかった」と、問題となっている描写は特に驚くものではなかったとの感想を述べ…風評被害につながるという批判には「一つの漫画の中で、福島の原発事故についてある見解が述べられたからと言って、右往左往する社会の方が問題」だとして、受け手側が情報リテラシーを持って総合的に判断すべきだと主張した。また、同作以上に原発事故の被害を指摘する言説は数多くあることから、「さまざまな主張が並立するのが民主主義社会というもので、『美味しんぼ』を特別視する理由が、私にはわからない」と、同作ばかりがバッシングされていることに疑問を呈した。
…松本さんは美味しんぼ騒動に言及する中で、作品はみんなで作るものではなく作者のものであるとして、「外部の人間がストーリーを変えろとかいうのは、ちゃんちゃらおかしな話なんですよ」とコメント。続けて「これに関しては漫画家さんが神、映画に関しては映画監督が神なんですよ」と指摘し、「周りがごちょごちょ言って変えろとか言うのは神への冒とく」とも語った。
…12日放送のラジオ番組「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ)の中で、伊集院さんは「僕の被害妄想、誇大妄想かもしれないけど」と前置きした上で、「政治の人たちが色んな発言をしていく中で変な盛り上がり方をすると、漫画で言っていいことの(規制)話になりかねない」と話した。また、政治家に対しては「潜在的に皆が『不安なんだ』っていうことに関して、漫画に何か言うよりは、そっち(編注:不安)を取り除くにはどうしたらいいんだってことのほうをする(考える)仕事でしょって思うんだけど」「特に国の政治の人に関していうと『なんで皆があれを読んでざわめくのか』みたいなことの責任の一端みたいなのはちょっとある気がする」などと話した。(引用ここまで)
全くその通りです。このような視点で、マスコミはもっともっと検証すべきです。やっていませんが。
マスコミがバッシング批判を手控えているというか、無視をしているなかで、このバッシングの印象操作という姑息な手口を使って国民分断を謀っている政権を応援しているので、地元福島の新聞は何を言ってきたか、調べてみました。
以下の記事に書かれているフクシマの実態は、別の視点からみれば「風評被害」にはならないのか。そのことを抜きに「美味んぼ」の「鼻血」を理由にバッシングするのは、如何なものか、そのことを、まず強調しておきます。
遅々として進まない復興に「風評被害」の最大の原因がある!
その理由は、以下の記事を読めば、フクシマの子どもや親御さんたちが置かれている苦悩が見えてきます。しかし、これらの苦悩は、現代の風潮を踏まえると、逆に言えば、「風評被害」の原因にもなりかねません。それは遅々として進まない復興に最大の原因があります。この「風評被害」の大本である政府の対策を不問に付したバッシングこそ、東電と政府とゲンパツメーカーなど、原発利益共同体=死の商人グループを免罪するものだということです。この視点に、全ての国民がたつとき、はじめて、フクシマの復興が前にすすむのではないか、ということです。
しかも森まさこ消費者大臣など、自民党は、野党時代に「鼻血」問題を理由に民主党政権を追及していたのです。このような事実を踏まえると「批判」の一面的発想が浮き彫りになったように思います。この事実を踏まえると、自民党のご都合主義・不道徳はいっそう浮き彫りになります。福島を利用して政権を奪還したのですから。マスコミは、こうした自民党の姑息・不道徳を追及すべきです。
屋外で遊べない子どもの実態は風評被害にはならない?
福島民友 子どもの屋外活動/官民連携し運動不足解消を 2014/5/4 12:05
http://www49.atpages.jp/toms/charset.php?s=Shift_JIS&d=UTF-8&url=http://www.minyu-net.com/shasetsu/syasetu/140504s.html
東京電力福島第1原発事故による屋外活動の制限が県内の子どもの肥満傾向や体力低下につながっていると問題視される中、県は本年度、子どもたちの屋外活動の場と機会を拡充する。県は、屋内運動だけで課題の解消につなげるのは難しいと判断…ただ、保護者には屋外の活動を不安視する声もある。県と実施団体は、屋外の環境に対する保護者らの不安解消に努めながら、子どもの健康改善に向け屋外活動の充実を図ってもらいたい。…屋外活動の拡充は、県内の除染の進行を受けて行う。ただ、昨年行ったモデル事業では、NPO法人の放射線量の測定で一部に高い線量の場所もあり、土に触れないよう注意を呼び掛けるなどの対策を講じた。拡充に当たっては、こうしたきめ細かい対応が必要になる。…専門家は、子どもの年齢が高いほど、太陽の下で思い切り遊ぶことができる場所の確保が重要と指摘する。一方、施設の設備などを十分活用し、屋内でもこれまでより子どもたちが体を動かすことができないかどうかの検討も忘れないでほしい。(引用ここまで)
無理強いを避けなければならないのは何故か?
福島民報 こどもの日と福島/子育て支援進めよう 2014/5/5 10:05http://www.minpo.jp/news/detail/2014050515486
伸び伸びと暮らし、遊び、しっかり学べる環境を整えたい。同時に親の不安を取り除き、出産や子育てしやすい態勢づくりが急務だ。県内の15歳未満の数は4月1日現在の推計で24万3666人。震災前の平成23年3月1日時点から3万656人減じた。減少率は11・2%で、県人口全体の4・3%を大きく上回る。また、20~39歳女性の数の落ち込みが目立つ。震災被災地の岩手、宮城両県と比べても著しい。…放射線による健康被害を懸念する母子らの県外流出が減少に拍車を掛けたようだ。進学・進級を機に徐々に戻りつつあるものの、一万人以上が今も異郷にとどまる。家族がばらばらに暮らす事例も聞く。好ましい姿とは決していえない。帰還を促すには、放射線の知識や現況、県民の動向を伝えながら、粘り強く訴えるしかあるまい。もちろん無理強いは避けるべきだ。…今春の県内ゼロ歳児が前年より増えた。過去十年の統計で初めて。15歳未満全体の減少率も震災前の水準に回復してきた。喜ばしい。…除染の推進や健康調査の継続、18歳以下の医療費無料化、教育の充実などに取り組んでいる。(引用ここまで)
「福島に蔓延するタカリ」記事に、閣僚は抗議とバッシングをしたか!
更に注目しておかなければならないのは、次の記事です。〈福島に蔓延[まんえん]する「タカリ体質」〉と書いた、ある雑誌=三万人のための総合情報誌『選択』 の4月号に載った記事について、「美味んぼ」バッシングした閣僚はどう反応したのでしょうか。全く無反応でした。ところが、マンガ「美味んぼ」については、口を極めて、大ウソをついて、バッシングしたのです。その意図は何か!です。その点をマスコミは明らかにすべきです。
福島民報 本県への誤解偏見/反論含めた情報発信を 2014/4/19 10:05http://www.minpo.jp/news/detail/2014041915180
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の発生から4年目を迎えても、県土再生の進みは遅い。むしろ時間がたつほど問題が枝分かれして拡大し、新たな対応や費用増を招いている。被災地への関心が次第に薄れる中、地元住民や自治体に原因や責任を求める論調や見方を見聞きする。解決の難しさ、膨れ上がる予算に対する中央の「いら立ち」の表れともいえそうだ。軽視することなく、反論を含めた適切な情報発信が必要だ。〈福島に蔓延[まんえん]する「タカリ体質」〉。ある雑誌の4月号に載った記事の見出しだ。広告が今月初め全国紙に掲載された。本県への誤解や偏見を助長しかねない一例だろう。…さらに厚生労働省の研究班が調査した子どもの心的外傷後ストレス障害についての結果に疑問を投げ掛けている。…本県への誤った見方や認識が他県の新聞読者はじめ、インターネットや口コミで広がる事態を恐れる。復興策や実施手法に関して問題が生じているのは確かだろう。元凶は「福島」や県民ではない。矛先を向けるべきは、予算を流用したりする霞が関の官僚や、「利権」に巣くう勢力だ。(引用ここまで)
「美味しんぼ」は矛先を向けるべき相手か!
矛先は予算を流用したりする霞が関の官僚・「利権」に巣くう勢力では?!
帰還見通しも立てられない福島の実態を放置しているのは誰だ!
「美味んぼ」バッシングのスリカエを見抜くべきだ!
福島民報 震災3年帰還見通し/なぜ、明示しないのか 2014/3/24 10:05http://www.minpo.jp/news/detail/2014032414679
そもそも、安倍晋三首相は東日本大震災と原発事故から2年を迎えた昨年3月の記者会見で、避難住民の帰還工程表を夏をめどに公表するとしていた。夏が過ぎても、まとまる気配はなく、自民、公明両党は政府の背中を押すように、昨秋の震災復興第3次提言の中に今後の放射線量の低減見通しと帰還の可否、時期の提示を盛り込んだ。
ところが、提言を受けて政府がまとめた復興加速化指針にも反映されなかった。その後、本紙が行った年頭インタビューの中で根本匠復興相は「帰還時期について方向性を示したい」と述べた。やる気があるのか、ないのか、さっぱり分からない。1年以上も肩透かしを食っている避難者のいら立ちは募るばかりだ。
原発事故の収束作業は汚染水問題など相次ぐトラブルで不安定な状態にある。原発周辺で国が行っている直轄除染も思うように進まない。(引用ここまで)
どうだったでしょうか。フクシマが「風評被害」を受けなければならないフクシマの置かれている実態は、地元の新聞がすでに明らかにしていました。その権化は誰がつくっているのか、明らかになったのではないでしょうか。このような実態をスリカエて、「美味んぼ」に、その責任を負わせる安倍政権や産経の犯罪敵役割が浮き彫りになったのではないでしょうか。
しかも、この点を明らかにすると同時に、野党時代に、自民党が何を言っていたのか、そのことを踏まると、二重三重四重の意味で問題と言わなければなりません。マスコミも同罪です。今後どのように報道するか、厳しき点検していく必要があります。