以下の岩手日報・西日本新聞・神奈川新聞・京都新聞・福島民友の社説をご覧ください。今回の「美味んぼ」「鼻血風評助長」事件の本質が浮き彫りになったように思います。
岩手日報「美味しんぼ」騒動/国は市民不安に答えよ 2014/5/17 10:05
http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2014/m05/r0517.htm
西日本新聞 美味しんぼ/問題提起は丁寧にしたい 2014/5/17 12:00
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/88127
神奈川新聞 「美味しんぼ」問題/「不安封じ」で解決せず 2014/5/18 12:05
http://www.kanaloco.jp/article/71507/cms_id/81346
京都新聞 美味しんぼ問題/議論深めるきっかけに 2014/5/19 10:05
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20140519_4.html
福島民友 仮設住宅の延長/被災者支える対応早く示せ 2014/5/18 12:05
http://www49.atpages.jp/toms/charset.php?s=Shift_JIS&d=UTF-8&url=http://www.minyu-net.com/shasetsu/syasetu/140518s.html
安倍首相の大ウソを追及しないマスコミ!
追及すれば政権は吹っ飛ぶのに!
「状況はコントロールされている。将来も健康に問題はない」(東京五輪招致演説)
「福島の復興は政権の最重要課題だ。着実に前進しており、いよいよ新しい段階に入ってきた」(福島にてNHK)
まず、以上の発言と事実はどうか、そのことを徹底的に検証すべきです。この目線にたって、国民の不安解消のための政治が行われているかどうか、そのことを指摘して社説になっているかどうか、です。
岩手日報 こんな体たらくで、誰が国の言うことを信じられるだろうか。今回の騒動が「日本の真実」に迫る言論の自己規制につながってはならない。
西日本新聞 発事故は終わっていない。福島の問題はなお進行中だ。福島県の県民健康調査にしても今のままでいいかとの議論がある。分かりやすくするために大げさに表現する。そう思って見ると、主人公が鼻血を出すのもありか。被ばくや除染の取り上げ方が一方的過ぎる。やり方次第では多くの人を傷つけることになる。問題提起は重要だが、丁寧さが要る。
神奈川新聞 今後の被ばくの影響への懸念も高まる中で到底、「風評被害」と断じてしまうことができる段階ではない。不安が存在するのは事実なのだ。そうした不安を漫画で表現することに問題があるのだろうか。何より、放射能の問題に真摯に向き合う姿勢があるのかという、事故後に多くの国民が感じた不信を再び喚起するだろう。政治、行政がすべきは不安の声を封じるのではなく、誠実に不安と向き合い、放射能の問題に対峙することだ。
京都新聞 放射線による被ばく、特に低線量被ばくによる健康への影響については、完全には解明されておらず、専門家の間でも見解は分かれる。そんな答えの出ていない問題だからこそ、住民が科学者と対話し、認識を深め、一人一人が批判力や判断力を育む努力が必要だ。根拠のない「安全神話」の下で原発政策が進められ、福島の事故につながった。不都合な事実を隠したり、表現の自由を萎縮させては、真の復興につながらない。
福島民友 県は国に延長を要請しているが、期限まで1年を切っても国からの明確な方針が示されていない。仮設住宅にいつまでいられるのかとの被災者の不安を早く解消しなければならない。県のまとめによると15日現在、県内ではプレハブなどの仮設住宅約1万3400戸で約2万8000人が避難生活を送っているほか、民間賃貸住宅などのみなし仮設住宅などに約4万9000人が入居している。県外避難者は約4万7000人で避難先の自治体が提供している公営住宅や賃貸住宅などで生活しているケースが解消されていない。
安倍政権の対応に対するまっとうな批判社説!アッパレ!
マスコミがこの目線で安倍政権を追及しないのは何故か!
岩手日報「美味しんぼ」騒動/国は市民不安に答えよ 2014/5/17 10:05
http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2014/m05/r0517.htm
週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)連載漫画「美味(おい)しんぼ」での、鼻血と放射線の影響を関連づける描写に対し、閣僚らが相次ぎ批判するなど波紋が広がっている。
これを表現の自由の問題とするには、あまりに安直な表現だ。だが、安直な表現がもたらした問題は大きい。
4月28日発売号では、主人公らが東京電力福島第1原発を訪問後に原因不明の鼻血を出す場面が物議を醸した。5月12日発売号には前双葉町長らが実名で登場し、鼻血の原因を「被ばくしたから」とし、「今の福島に住んではいけない」などと発言した。
福島県や双葉町は「風評被害を助長させる」「(鼻血など)急性放射線症が出るような被ばくはしていない」などと抗議。本県の震災がれきを受け入れた大阪府の住民が不快な症状を訴えているとの描写をめぐり、県も「安全に処理されたことを確認した」とする見解を示した。
むろん、作者の表現の自由は尊重されなければならない。だが、こうした表現を被災地がどう受け止めるかについて、作者が思いを致したとは思えない。想像力の欠如した表現に悲しみを覚える。
鼻血表現をめぐっては、環境相、文部科学相、復興相らも相次ぎ批判する事態に発展した。だが、批判する閣僚にも、鼻血表現と同等の不快感を禁じ得ない。
作品には原発事故後の避難指示の遅れ、東電と国の無責任体質への批判も記されている。閣僚は鼻血表現を批判するのであれば、国に対する批判にも答えるべきだろう。
そもそも、このような作品が描かれ、話題を呼ぶ背景には、放射能汚染に対する国民の根強い不安感がある。誰が真実を語っているのか、何が安全かが分からない。
安倍首相は東京五輪招致に向けた昨秋の国際オリンピック委員会総会で、原発の汚染水漏れについて「状況はコントロールされている。将来も健康に問題はない」と強調。だがその後、港湾外の外洋で放射性セシウムが検出。こんな体たらくで、誰が国の言うことを信じられるだろうか。
安倍政権は、福島の収束が見通せないにもかかわらず、原発推進路線に転換した。加えて、特定秘密保護法の強行採決。憲法が保障する表現の自由や知る権利が脅かされている現状にある。
このタイミングでの「美味しんぼ」騒動は、国からすれば渡りに船ではないか。震災復興の大義名分の下に「美味しんぼ」を批判すれば、原発事故対策や原発政策への異論を封殺し、言論の自由にもくさびを打ち込めるからだ。今回の騒動が「日本の真実」に迫る言論の自己規制につながってはならない。(引用ここまで)
福島をどう捉えるかによって意見が違ってしまう!
西日本新聞 美味しんぼ/問題提起は丁寧にしたい 2014/5/17 12:00
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/88127
広辞苑で「漫画」と引くと、「単純・軽妙な手法で描かれた、滑稽と誇張を主とする絵」とある。
「大胆な省略と誇張」を漫画の特徴と説明する国語辞書もある。分かりやすくするために大げさに表現する。そう思って見ると、主人公が鼻血を出すのもありか。小学館発行の「週刊ビッグコミックスピリッツ」の4月28日と5月12日発売号に掲載された漫画「美味(おい)しんぼ」のことである。
主人公らが東京電力福島第1原子力発電所を訪問後に原因不明の鼻血を出した。それが原発事故による放射線被ばくだと示唆する。さらに、放射性物質を減らす除染をしても無駄とし、登場人物の一人に「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できないと思います」と発言させた。漫画だからと読者が割り引いて考えればいいが、まともに受け止めたらどうか。福島県民に対する偏見や差別を助長し、新たな風評被害を生むことになりかねない。
私たちもできる限りの現場取材を心掛けてきた。事故後の福島第1原発に3回足を踏み入れた者もいる。ただ、いずれの時も鼻血は出なかった。折を見ては原発周辺の市町村を訪ねている者もいる。
原発事故は終わっていない。福島の問題はなお進行中だ。私たちもそう思うから取材を続ける。
美味しんぼの作者である雁屋哲さんはブログに「福島を2年かけて取材をして、すくい取った真実をありのままに書くことがどうして批判されるのか」と書いた。
だが、被ばくや除染の取り上げ方が一方的過ぎると強く感じる。
児童養護施設を舞台とした日本テレビ系の連続ドラマが論議になったことがあった。話題づくりでもやり過ぎとの批判があった。
美味しんぼも関心を高めるためあえて物議を醸す手法をとったのだろうか。ただ、やり方次第では多くの人を傷つけることになる。福島県の県民健康調査にしても今のままでいいかとの議論がある。国や県の姿勢や手法に疑問を呈し、一石を投じるのはいい。問題提起は重要だが、丁寧さが要る。(引用ここまで)
安倍政権の怠慢を指摘!だが・・・
神奈川新聞 「美味しんぼ」問題/「不安封じ」で解決せず 2014/5/18 12:05
http://www.kanaloco.jp/article/71507/cms_id/81346
漫画の表現が、首相、閣僚までをも巻き込む一大騒動を引き起こしている。異例ともいえる場面の数々に「わが国にタブーがひとつ増えたのだ」との懸念は強まる一方だ。
小学館の漫画誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」に連載中の「美(お)味(い)しんぼ」が論議を呼んでいる。問題となったのは「福島の真実」というタイトルで、4月28日と5月12日発売号に掲載された。
主人公の新聞記者、山岡士郎は東京電力福島第1原発を取材した直後に鼻血を出す。実名で登場した福島県双葉町の井戸川克隆前町長は原因について「被ばくしたから」と述べる。また、やはり実名の荒木田岳福島大准教授は「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できないと私は思います」と語る。
安倍晋三首相は17日、視察先の福島市で「根拠のない風評に対しては国として対応する必要がある」と述べた。先立って菅義偉官房長官や根本匠復興相、太田昭宏国土交通相、下村博文文部科学相、森雅子消費者相も批判の声を上げていた。
鼻血と被ばくの因果関係は、分からないというのが現状であろう。関係があるという専門家もいれば、ないという専門家もいる。事故から3年余しか経過していない。今後の被ばくの影響への懸念も高まる中で到底、「風評被害」と断じてしまうことができる段階ではない。
実際、森消費者相は閣僚就任前の2012年6月、国会で「子どもの鼻血と被ばくの関係を不安視する声がある」と発言している。同様の不安が存在するのは事実なのだ。
そうした不安を漫画で表現することに問題があるのだろうか。政治家による相次ぐ批判は過熱気味で「表現の自由の侵害」となりかねない。何より、放射能の問題に真摯(しんし)に向き合う姿勢があるのかという、事故後に多くの国民が感じた不信を再び喚起するだろう。
福島県は「風評被害を助長する」と小学館に抗議したが、同県内の複数の市民団体が抗議撤回を求めた。県への抗議文では「(作品は)『福島の現実』と向き合おうとしている多くの人たちにとって注目し共感せずにおれない重要な見解」とし、「県の非難は、人々の声を上げる自由をも抑圧する」と訴えた。政治、行政がすべきは不安の声を封じるのではなく、誠実に不安と向き合い、放射能の問題に対峙(たいじ)することだ。(引用ここまで)
不都合な事実を隠す安倍政権
健康への影響を解明を怠る安倍政権
健康不安への判断力・批判力を育成しない安倍政権
京都新聞 美味しんぼ問題/議論深めるきっかけに 2014/5/19 10:05
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20140519_4.html
人気連載漫画「美味(おい)しんぼ」の描写が波紋を広げている。
東京電力福島第1原発を訪ねた主人公が出す鼻血を、被ばくと関連づける場面などを描き、被災地の住民や首長にとどまらず、関係閣僚からも「風評被害を助長する」と抗議の声が上がった。
掲載している「週刊ビッグコミックスピリッツ」の編集部は19日に発売される最新号で「批判を真摯(しんし)に受け止め、表現のあり方についていま一度見直す」との見解を示し、福島県の自治体や有識者の賛否両論をのせた特集も組んだ。
福島では、除染が一段落した自治体で避難指示が一部解除され、住民の帰還が始まっている。苦渋の決断をした住民の心情や生活再建への被災地の努力を思えば、抗議の声が出るのは理解できる。どんな媒体も、表現には思いやりと細心の注意が必要だ。
だが一方で、放射線の影響に不安を抱き、多くの住民が避難を続ける現実もある。除染しても年間被ばく放射線量は法令で定める一般人の限度1ミリシーベルト以下にならない地域が多く、政府が避難指示解除の条件とする20ミリシーベルト以下では安心できないとする声も根強い。
放射線による被ばく、特に低線量被ばくによる健康への影響については、完全には解明されておらず、専門家の間でも見解は分かれる。そんな答えの出ていない問題だからこそ、住民が科学者と対話し、認識を深め、一人一人が批判力や判断力を育む努力が必要だ。
作者の雁屋哲氏は実際に第1原発の敷地内などを取材し、現地で話を聞いた実在の人物を登場させている。そこには配慮を欠く部分もあるが、鼻血と被ばくとの関係については、医師の話として断定を避けている。「一方的」と批判するよりも、今後も長くつきあうことになる放射線リスクとどう向き合うかを議論するきっかけにすることが大事だ。
漫画表現をめぐっては「はだしのゲン」の閲覧制限騒ぎが記憶に新しい。作者の悲惨な原爆体験を描きながら、日中戦争での残酷なシーンなどにも触れており、教育現場で排除する動きが続いた。だが、情報の隠蔽(いんぺい)は、考えるきっかけを失うことにもなる。
根拠のない「安全神話」の下で原発政策が進められ、福島の事故につながった。不都合な事実を隠したり、表現の自由を萎縮させては、真の復興につながらない。感情的な非難に走らず、問題提起の一つとして、冷静に受け止める態度を養いたい。(引用ここまで)
安倍政権の被災者の生活環境を支える対応はできていない!
これで新しい段階に入ったと言えるか!
福島民友 仮設住宅の延長/被災者支える対応早く示せ 2014/5/18 12:05
http://www49.atpages.jp/toms/charset.php?s=Shift_JIS&d=UTF-8&url=http://www.minyu-net.com/shasetsu/syasetu/140518s.html
来年3月末に入居期限が切れる東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の仮設住宅について政府は、早急に期限延長の方針を示すべきだ。
災害公営住宅などの建設が遅れている上、原発事故に伴う避難生活が長引いており、生活再建の見通しを立てにくい被災者の現状を考えれば、延長は避けられない。
県は国に延長を要請しているが、期限まで1年を切っても国からの明確な方針が示されていない。仮設住宅にいつまでいられるのかとの被災者の不安を早く解消しなければならない。
県のまとめによると15日現在、県内ではプレハブなどの仮設住宅約1万3400戸で約2万8000人が避難生活を送っているほか、民間賃貸住宅などのみなし仮設住宅などに約4万9000人が入居している。県外避難者は約4万7000人で避難先の自治体が提供している公営住宅や賃貸住宅などで生活しているケースが解消されていない。
災害公営住宅などの恒久的な住宅の整備状況をみると、復興庁のまとめでは県内で原発事故の避難者向けに計画される約4900戸のうち本年度中に入居できる見通しは約700戸にすぎない。地震・津波被災者向けは約2700戸整備される予定だが、3月末現在の完成戸数は約350戸にとどまっている。
整備に当たっている県などは復旧需要の集中による建設資材や作業員の不足などを整備が遅れている理由に挙げているが、今後も東京五輪に向けた建設需要の高まりが予想される。
被災者が仮設住宅から恒久的な住宅に入居できる環境を早く整える取り組みが重要になるが、それまでにはまだ時間がかかるとみなければならない。
原則2年以内とされる仮設住宅の入居期間について国は、みなし仮設住宅も含めてこれまで2度にわたり1年単位の延長を決めてきた。延長に伴う追加費用は国が負担する制度になっており、国が来年4月以降の方針を固めるためには、延長を要請している県が予算措置を促していく必要がある。
延長する場合には仮設住宅の老朽化対策なども考慮しなければならない。県には仮設住宅を設置している市町村の個別の状況や意向を把握し、国に提示するよう努めてほしい。
本県の復興に向けては、一日も早い仮設生活の解消が求められるのは当然だが、地震・津波の自然災害に原子力災害が複合的に加わる本県特有の事情を考慮しながら、被災者の生活環境を支える対応が重要だ。(引用ここまで)