大阪子ども囲い込み政策を批判したばっかりなのに、橋下市長、またまた凄い発言をしました。この御仁、腹の底から独裁志向だということが、改めて判ります。
橋下氏「妨害議員は出ていってもらう」…法定協 2014年06月16日 07時46http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140616-OYT1T50014.html?from=yrank_ycont
地域政党・大阪維新の会は15日、橋下徹代表(大阪市長)が大阪市内の繁華街で街頭タウンミーティングを開催するなど、大阪府内各地で大阪都構想のPR活動を始めた。橋下氏は「次に転んだら起きあがれないという思いで、来春に最後の訴えをする」と述べ、来春の統一地方選が都構想の是非を問う最後の機会になるとの認識を示した。維新は今月から毎月10日を「都構想の日」と位置付け、前後の週末に街頭活動をする方針。府・市両議会で議論が停滞するなか、統一選に向け、市民の理解を広げたい考えだ。この日、橋下氏は松井一郎幹事長(府知事)と、梅田、難波、天王寺の3か所で、都構想の財政的なメリットなどを説明した。 維新は近く都構想の制度設計を話し合う法定協議会から反対派委員を排除する考えで、橋下氏は「(法定協を)妨害する議員には出ていってもらう。反対なら、(3月の)出直し市長選で対抗馬を立てて僕を落とせば良かった」と、委員入れ替えの正当性を主張した。2014年06月16日 07時46分 Copyright © The Yomiuri Shimbun (引用ここまで)
橋下式選挙は民主主義のイロハが判っていない!
弁護士なのに国民主権のイロハが全くダメ!
橋下氏の日本国憲法観はつまみ食い民主主義!
橋下氏は「選挙こそ民主主義」観を披露しています。それは正しいと思います。選挙権は参政権、国民の人権尊重主義を保障していく重要な装置だからです。しかし、以下の数字を見るように、選挙に勝ったからと言って、何をしても良い、フリーハンドを与えたものではないことも、また事実です。橋下氏は、この点が全く判っていません。安倍首相も同様です。
投票日 |
有権者 |
投票者 |
投票率 |
橋下票 |
絶対支持率 |
平成19年11月18日 |
2,073,215 |
904,054 |
43.61 |
367,058 |
平松 邦夫 |
平成23年11月27日 |
2,104,977 |
1,282,318 |
60.92 |
750,813 |
35.6684 |
平成26年3月23日 |
2,114,978 |
498,918 |
23.59 |
377,472 |
17.8475 |
有権者がすべてを勝利者に与えたものでもないことは、その公約全てに賛同して投票していないからです。だから議会毎に、有権者の審判を受けるために議会で審議されるのです。しかも、その審議の前に、審議される内容について、有権者の意見を様々な形態で集約するのです。これが自治であり、民主主義と言えるのです。
異端を排除する思想は危険思想!
ところが、橋下氏の発想は、「(法定協を)妨害する議員には出ていってもらう。反対なら、(3月の)出直し市長選で対抗馬を立てて僕を落とせば良かった」とあまりに短絡的、機械的、形式的思考パターンです。ある意味子ども染みています。
自分の考えに合致しない議員は排除すると言う発想を当然と考えているのです。しかも、反対するなら、選挙で対抗馬をと、あの選挙を民主主義が機能していなかったことについて、目を瞑っているのです。黙殺です。そもそも、あの選挙は税金の無駄遣いだという声があり、選挙を利用した身勝手な手法でした。事実、有権者は、その手口にどう反応したか、一目瞭然です。
それは橋下氏への賛同票にも明確に現れています。橋下氏は、橋下氏に賛同しなかった1,737,506人の声は、どう考えるのでしょうか。「投票しなかったお前たちが悪いのだ」ということでしょうか。そして「嫌なら大阪から出て行け」ということでしょうか。選挙制度と民主主義、国民主権の理解が余りに稚拙で短絡的過ぎます。しかも、橋下氏に投票した有権者が大幅に減少したことなど、いっさい不問です。自分は正しいのだという発想があるからです。
これは暴力行為をする子ども、暴言を吐く子ども、指導に従わない子どもは別のところで指導するという短絡的発想とパターンは同じです。このような子どもをつくってきた諸要因について、その諸要因の原因について、橋下府政と市政を検証する気など全くありません。自分は正しいからです。
このことを援用していくと、戦前の治安維持法と同じ発想です。これでは、中国や北朝鮮政府のやり方と同じだと言われても仕方ありません。「悪法も法である」から従えということになります。その「悪法」が、何故、どのような点から「悪法」なのか、などいう思考回路は、橋下氏の頭の中には全くないのでしょう。
橋下氏をつくり出した日本社会とはどんな社会か!(試論)
ところで、このような思考回路が形成される、そして一定の支持を得るという日本社会はどのような社会でしょうか。そのためには、日本国憲法をいただく日本の教育、日本社会の意識を形成する構造・構図に目を向けていかなければなりません。何故か。それは第二、第三、第四の橋下氏が出てくるからです。憲法を暮らしに活かすためにも、この分析は必要不可欠と言えます。そこで、大まかにポイントを指摘しておきたいと思います。
日本の丸暗記・鵜呑み型受験勉強教育にあり!
最大の問題は、「教育にある」ということです。受験勉強優先型の教育が行われてきたことが一番大きいと思います。それはその内容です。お断りしておきますが、受験勉強が全て悪いとは思っていません。問題は、中身と方法です。
一つは、丸暗記・鵜呑み型勉強です。勉強する内容・事実の深いところに潜む意味、他の事項との関連などは、いっさい無視して、ただ問題の回答のためにただただひたすら覚えるという内容の勉強です。覚えた知識、理解した知識を、他のことに使うなどという発想ではなく、ただただ、試験に出る問題の回答のための「知識」といて丸暗記・鵜呑みするという勉強方式です。
二つは、答えを導き出すために、どのような思考回路を使って、どのような知識を、どのような引き出しから出して、答えまで到達するか、という思考回路の不足、軽視です。答えが合っているかどうか、そこだけに集中する勉強型です。本当に思考を揉ませて、知識の襞を使って答えに接近していくという手法は皆無です。だから、覚えていなければ、それで思考はストップしてしまうのです。「判らない」ということで。
三つは、このようなパターンの回路が出来る子どもが「頭が良い子」となり、丸暗記・鵜呑み力のない子どもは「頭が悪い子」になります。即効で答えられなければ、どんどん置いていかれてしまいます。当然、学校は、教室は面白くありません。しかし、子どもは多様です。早く歩く子どもがいれば、遅くしか歩けない子どももいるのです。算数が得意な子もいれば、苦手な子どもいるのです。しかし、受験勉強型の、競争のための、点数を取ることのみが強調される勉強法が貫徹されている学校と教室、それを信じてやまない子どもと保護者と教育関係者が大手を振っている現在の社会においては、弾き飛ばされた子ども他、そのような指導方法に疑問を抱く教師は排除の対象になるのは当然のことです。
四つは、こうした傾向が、どこから作り出されてきたか、一目瞭然です。そうです。生産現場、職場です。成果主義賃金導入方式です。「成果」とは、企業の場合は「収益」です。学校で言えば、どこの学校に合格したか、部活の成績です。そのために推薦入学試験が導入されました。試験の多様化です。様々な能力を試験の対象にするという名の、生きるための知識と考える力、友だちとの共同の力を育む学力の軽視です。
橋下氏が低下してきた学校の底力をアップさせるために導入したことは、部下の公務員を反抗させないような装置をつくったこと、ニンジンをぶら下げて、受験勉強型の学校づくりを推進したこと、スポーツも同様です。その結果、追い詰められたというか、成果主義の渦中に陥れられた教師と子どもがどのような状態に追い込まれていったか、保護者も同のような状況に追い込まれていったか、事実は明瞭です。
日本社会の職場はどうなったか。非正規雇用を増やし、正規雇用者と差別をつくり出し、競争させる、非正規をどんどん増やし、正規に向けてニンジンをぶら下げ、長時間過密低賃金労働を課していったのです。「不況」「成果不振」の責任は労働者が取ることになるのです。会社の経営者や株主が責任を取ることは、ほとんどありません。しわ寄せは、労働者、しかも非正規雇用者です。橋下氏と同じです。安倍首相も同様です。
そうして、企業は「命」を繋いできたのです。「カローシ」で殺しておいて!です。言い訳は「会社が潰れたら雇用も保障できない!賃金も上がらない!保障できない!と。安倍首相の思想と論理と同じです。巨大な内部留保や株主配当、富裕層の大もうけは、当然なのだという意識が当然のように日本国中を席巻しています。自己責任論・「自助」論が振り撒かれ、人の良い人ほど、その呪縛にはまってしまっているのです。仕方ないな!です。一人では何もできない!どうせ!何を言ってもムダ!という諦めです。答えに到達するまでの、一歩一歩は、まるでありません。
答えが合っているか合っていないか、それだけに時間と労力をかけてきた人生があるあらです。この思想と論理が、受験勉強型の勉強方法と内容の中で着々と形成されてきたのです。
五つは、現代社会のマスメディアの、関連を無視した垂れ流し報道があります。愛国者の邪論が大阪囲い込み教育が安倍首相の集団的自衛権行使容認論と同根だと言ったことは、そこにあります。出てくる出てくる現象を追っかけられている間に、知らないうちに安倍首相派の呪縛に追い込まれているという報道の手口です。麻生財務大臣がいみじくも言ったナチスの手口です。愛国者の邪論はオセロゲームの手口です。スポーツにはそうい場面はたくさんあります。相手尾自分のテリトリーで競技させて自分の思う壺に陥れる手法です。
現在振り撒かれている様々な二ュースを一つ一つ紐解いていく、そうして答えに到達する!そのような面倒なことはほとんど省みられないのではないでしょうか!安倍首相の大ウソを検証していない手口に象徴的です。
このパターンと同じ穴のムジナ人間は、今や全国各地にいるのではないでしょうか。だから橋下氏のような人間が、一時ではありますが、熱狂的な支持を得るのです。問題を解決してくれるのではないかという意味で、答えがはっきりしているからです。ところが、それは一瞬のことです。事実はそんな単純ではないからです。国民の腹の中を満たすことは、そう単純ではないからです。同時に橋下氏は、国民の腹の中を満たすという立場になっていないからです。