曖昧な「おそれ」論で武力行使の既成事実化を!国家の存亡は泥沼へ!
安倍政権が自公協議に閣議決定案を提示しました。全くデタラメ・大ウソ・スリカエのご都合主義が浮きぼりになっています。すでに記事に書いてきましたが、今回はどういう意味にも取れる恣意的「おそれ」の問題について、記事を書くことにしました。以下お読みください。
朝日新聞 「おそれ」表現に公明難色 集団的自衛権の閣議決定案 2014年6月16日23時43分
政府は16日、集団的自衛権を使えるようにするための閣議決定の原案を自民、公明両党に示した。集団的自衛権の発動要件については、「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがあること」としている。だが、公明は「おそれ」では幅広い事例に発動されると難色を示しており、与党協議の焦点に浮上している。
閣議決定の原案は、戦争には至らないが、緊張状態にある「グレーゾーン事態」▽多国籍軍への後方支援拡大や武器使用などの「国際協力」▽集団的自衛権――の3分野で構成される。17日の与党協議で正式に示される見通しだが、政権幹部は「集団的自衛権部分の詳細な文言は自公で協議中のため、確定していない」と語った。ただ、自民は集団的自衛権が使える範囲を広げる狙いから、閣議決定の集団的自衛権の発動要件部分に「おそれ」の文言を盛り込みたい考えだ。何を「おそれ」とするかはときの政権の判断になるため、発動の範囲はあいまいになる。(引用ここまで)
これについては、歴史の事実をみれば、この「おそれ」論が権力にとって都合の良いものであることが浮き彫りになります。
公安関係の「おそれ」は弾圧する場合にとって都合の良い解釈が、情報公開にとっては、都合の悪い情報を隠すために、「おそれ」が使われていることが判ります。「おそれ」には、厳格な基準がありません。以下ご覧ください。
公安関係は、「国民の基本的人権に重大な関係を有するものであるから、公共の安全の確保のために必要な最小限度においてのみ適用すべき」とあります、が「最小限度」という言葉が曲者です。
情報公開は、「市民の知る権利を尊重し、市民に公文書の開示を求める権利を保障する等市政に関する情報の公開について必要な事項を定めることにより、市民に説明する責務が全うされるようにし、市民の市政参加を助長し、市政に対する市民の理解と信頼を深め、もって地方自治の本旨に即した市政を推進することを目的とする」とあるように、憲法の人権尊重主義が一定貫かれています。しかしこの「おそれ」によって、この条例の目的と相反する行為が決定されることが多いのです。
それでは、以下、どのようなゴマカシ法があったか、掲載しておきます。この法律で何が行われたか!
戦前編
第三章 予防拘禁
第三十九条 第一章ニ掲グル罪ヲ犯シ刑ニ処セラレタル者其ノ執行ヲ終リ釈放セラルベキ場合ニ於テ釈放後ニ於テ更ニ同章ニ掲グル罪ヲ犯スノ虞アルコト顕著ナルトキハ裁判所ハ検事ノ請求ニ因リ本人ヲ予防拘禁ニ付スル旨ヲ命ズルコトヲ得
2 第一章ニ掲グル罪ヲ犯シ刑ニ処セラレ其ノ執行ヲ終リタル者又ハ罪ノ執行猶予ノ言渡ヲ受ケタル者思想犯保護観察法ニ依リ保護観察ニ付セラレ居ル場合ニ於テ保護観察ニ依ルモ同章ニ掲グル罪ヲ犯スノ危険ヲ防止スルコト困難ニシテ更ニ之ヲ犯スノ虞アルコト顕著ナルトキハ亦前項ニ同ジ
第八条 国防上ノ利益ヲ害スベキ用途ニ供スル目的ヲ以テ又ハ其ノ用途ニ供セラルル虞アルコトヲ知リテ外国ニ通報スル目的ヲ以テ外交、財政、経済其ノ他ニ関スル情報ヲ探知シ又ハ収集シタル者ハ十年以下ノ懲役ニ処ス
第十条 外国ト通謀シ又ハ外国ニ利益ヲ与フル目的ヲ以テ金融界ノ撹乱、重要物資ノ生産又ハ配給ノ阻害其ノ他ノ方法ニ依リ国民経済ノ運行ヲ著シク阻害スル虞アル行為ヲ為シタル者ハ無期又ハ一年以上ノ懲役ニ処ス(引用ここまで)
それでは、戦後編です。
破壊活動防止法 最終改正:平成七年五月一二日法律第九一号
第一条 この法律は、団体の活動として暴力主義的破壊活動を行つた団体に対する必要な規制措置を定めるとともに、暴力主義的破壊活動に関する刑罰規定を補整し、もつて、公共の安全の確保に寄与することを目的とする。
(この法律の解釈適用)
第二条 この法律は、国民の基本的人権に重大な関係を有するものであるから、公共の安全の確保のために必要な最小限度においてのみ適用すべきであつて、いやしくもこれを拡張して解釈するようなことがあつてはならない。
(規制の基準)
第三条 この法律による規制及び規制のための調査は、第一条に規定する目的を達成するために必要な最小限度においてのみ行うべきであつて、いやしくも権限を逸脱して、思想、信教、集会、結社、表現及び学問の自由並びに勤労者の団結し、及び団体行動をする権利その他日本国憲法 の保障する国民の自由と権利を、不当に制限するようなことがあつてはならない。
2 この法律による規制及び規制のための調査については、いやしくもこれを濫用し、労働組合その他の団体の正当な活動を制限し、又はこれに介入するようなことがあつてはならない。
(団体活動の制限)
第五条 公安審査委員会は、団体の活動として暴力主義的破壊活動を行つた団体に対して、当該団体が継続又は反覆して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがあると認めるに足りる十分な理由があるときは、左に掲げる処分を行うことができる。但し、その処分は、そのおそれを除去するために必要且つ相当な限度をこえてはならない
(解散の指定)
第七条 公安審査委員会は、左に掲げる団体が継続又は反覆して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがあると認めるに足りる十分な理由があり、且つ、第五条第一項の処分によつては、そのおそれを有効に除去することができないと認められるときは、当該団体に対して、解散の指定を行うことができる。(引用ここまで)
警察官職務執行法 オイコラ警察官!の根拠法です!
一条 この法律は、警察官が警察法 (昭和二十九年法律第百六十二号)に規定する個人の生命、身体及び財産の保護、犯罪の予防、公安の維持並びに他の法令の執行等の職権職務を忠実に遂行するために、必要な手段を定めることを目的とする。
2 この法律に規定する手段は、前項の目的のため必要な最小の限度において用いるべきものであつて、いやしくもその濫用にわたるようなことがあつてはならない。
(保護)
第三条 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して次の各号のいずれかに該当することが明らかであり、かつ、応急の救護を要すると信ずるに足りる相当な理由のある者を発見したときは、取りあえず警察署、病院、救護施設等の適当な場所において、これを保護しなければならない。
一 精神錯乱又は泥酔のため、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼすおそれのある者
避難等の措置)
第四条 警察官は、人の生命若しくは身体に危険を及ぼし、又は財産に重大な損害を及ぼす虞のある天災、事変、工作物の損壊、交通事故、危険物の爆発、狂犬、奔馬の類等の出現、極端な雑踏等危険な事態がある場合においては、その場に居合わせた者、その事物の管理者その他関係者に必要な警告を発し、及び特に急を要する場合においては、危害を受ける虞のある者に対し、その場の危害を避けしめるために必要な限度でこれを引き留め、若しくは避難させ、又はその場に居合わせた者、その事物の管理者その他関係者に対し、危害防止のため通常必要と認められる措置をとることを命じ、又は自らその措置をとることができる。
(犯罪の予防及び制止)
第五条 警察官は、犯罪がまさに行われようとするのを認めたときは、その予防のため関係者に必要な警告を発し、又、もしその行為により人の生命若しくは身体に危険が及び、又は財産に重大な損害を受ける虞があつて、急を要する場合においては、その行為を制止することができる。(引用ここまで)
次は、地方自治体の情報公開条例編です。情報公開を請求しても、肝心なところは、この制限で公開されないことがあります!やってみては如何でしょうか?これは、たまたま、の事例です。自分の自治体の条例を検索してみてください。ほとんど同じです。「おそれ」の「基準」はありません。不開示の理由も示されません。判断は「お上」なのです。憲法違反ですね。
福島市情報公開条例平成10年3月27日条例第1号
(目的)
第一条 この条例は、公文書の開示を求める市民の権利を明らかにするとともに、市が保有する情報の提供を推進することにより、行政運営の透明性の向上を図り、もって市の行政活動を市民に説明する責務が全うされるように努め、市民の市政に対する信頼の確保及び市政への市民参加を推進し、公正で民主的な市政の実現に資することを目的とする。
三 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、開示することにより、当該法人等又は当該事業を営む個人の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 事業活動によって生じ、又は生ずるおそれがある危害から人の生命、身体又は健康を保護するために、開示することが必要であると認められる情報
イ 違法又は著しく不当な事業活動によって生じ、又は生ずるおそれがある支障から人の生活、財産等を保護するために、開示することが必要であると認められる情報
四 開示することにより、人の生命、身体、財産等の保護又は犯罪の予防、捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれのある情報
五 市と国、独立行政法人等、他の地方公共団体又は地方独立行政法人その他の公共団体(以下「国等」という。)との間における協議、依頼等に基づいて実施機関が作成し、又は取得した情報であって、開示することにより、市と国等との協力関係又は信頼関係を損なうおそれのあるもの
七 市又は国等が行う監査、検査、取締り、争訟、交渉、試験、人事その他の事務事業に関する情報であって、開示することにより、当該事務事業若しくは同種の事務事業の目的が損なわれ、又はこれら事務事業の公正かつ円滑な執行に著しい支障が生ずるおそれがあるもの(引用ここまで)
広島市/広島市情報公開条例 - 広島市ホームページ 平成13年3月29日 条例第6号
第1条 この条例は、市民の知る権利を尊重し、市民に公文書の開示を求める権利を保障する等市政に関する情報の公開について必要な事項を定めることにより、市民に説明する責務が全う されるようにし、市民の市政参加を助長し、市政に対する市民の理解と信頼を深め、もって地方 自治の本旨に即した市政を推進することを目的とする。
(公文書の開示義務)
第7条 実施機関は、開示請求があったときは、開示請求に係る公文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該公文書を開示しなければならない。
(1) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令(条例を含む。以下同じ。)の規定により、何人でも閲覧することができるとされている情報
イ 公にすることについて、本人が同意していると認められる情報
ウ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報
(3) 市の機関又は国等(国、独立行政法人等、他の地方公共団体又は地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
ア 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、市又は国等の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
エ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
オ 市、国若しくは他の地方公共団体が経営する企業、独立行政法人等又は地方独立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ(引用ここまで)