「野党」の追及を公平に報道するかどうか、朝日・毎日・東京の報道姿勢が問われている!
次に、朝日・毎日・東京の社説です。この3つは、安倍首相の所信表明演説に対して、読売・日経・産経とは違って鋭く批判したものです。しかし、このみっつに共通するのは、国会における審議ということを踏まえるのであれば当然と思いますが、そこには大きな、決定的なゴマカシがあります。それは「野党」一般論によってたっていることです。このことは、朝日の述べる「野党」が、民主党と維新の会しか出されていないこと、毎日も東京も一般論としての「野党」論にたっていることです。これについては、すでに「一強他弱」論の誤りを記事にじてありますので、ご覧ください。
方や「1強多弱」論で政治不信を!方や「原点に返れ公明党」論のゴマカシに終始するマスコミに大喝! 2014-09-23 09:00:34 | マスコミと民主主義 http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/d9f322a2b4164d6ae4dcda8970355c4a
愛国者の邪論の指摘がどこで証明されるか、それは所信表明演説に対する衆参両院本会における論戦をどのように伝えるか、そこにかかっています。まず、今日で衆議院が終わりますので、明日の、この3つの新聞がどのような社説を書くか、その時点で検証してみることにします。
安倍政権の無策を野党に責任を転嫁する朝日の姑息浮き彫り!
朝日新聞 臨時国会/課題は地方だけでなく 2014/9/30 4:00http://www.asahi.com/paper/editorial.html
安倍内閣の改造から初めてとなる臨時国会が開会した。首相が論戦の中心テーマに掲げるのは「地方創生」と「女性が輝く社会」である。首相はきのうの所信表明演説で、こう強調した。
「若者にとって魅力ある町づくり、人づくり、仕事づくりを進める。これまでとは次元の異なる大胆な政策をとりまとめ、実行していく」「女性の活躍は、社会の閉塞(へいそく)感を打ち破る大きな原動力となる。その認識を共有し、国民運動を展開していく」
確かに、これからの日本の人口減少を考えれば、ともに重要な論点ではある。少なくとも方向性に異議はない。ただし、このふたつをことさら強調する首相の姿勢には、来春の統一地方選をにらんだ得点稼ぎのにおいがする。この国会で議論すべき課題は、これだけにとどまるわけがない。
安倍首相は先の通常国会で、集団的自衛権の行使を認める閣議決定を会期内にすませるため、自民、公明の与党協議を急がせた。最終的に閣議決定は閉会後となったが、あまりに短兵急な運びだった。ところが、首相は閣議決定の内容を実行に移すための関連法の改正は来年の通常国会に先送り。きのうの演説でも「切れ目のない安全保障法制の整備に向けた準備を進める」とあっさり触れただけだ。法案づくりに時間がかかる事情はあるにせよ、根強い反対を抑えて突き進んだあの性急さはいったい何だったのか。
首相は、消費税率の10%への再引き上げを、臨時国会の閉会後に判断する構えだ。「アベノミクス」の成果を強調する首相だが、一連の政策が日本の経済再生に本当に有効だったのか、これからも成果が見込めるのか、論戦を通じて明らかにすべきだ。
首相はまた、原子力規制委員会が求める安全性が確認された原発は再稼働を進めると語った。だが、御嶽山の突然の噴火は、火山列島と呼ばれる国土で原発を稼働させることの危うさを改めて思い起こさせた。
この国会が政権の思い描く通りに進むかどうかは、ひとえに野党の力量にかかっている。先の通常国会では「責任野党とは政策協議を行っていく」との首相の分断策に、野党は押され気味だった。臨時国会を前に民主党は執行部を刷新、維新の党も政権との対決姿勢を見せる。野党は「多弱」の汚名を返上する気概を、論戦の中で示してほしい。(引用ここまで)
首相の演説の問題点を挙げながらその追及を野党に責任を転嫁する毎日の姑息!
毎日新聞 首相所信表明/核心の説明が足りない 2014/9/30 6:00
http://mainichi.jp/opinion/news/20140930k0000m070137000c.html
臨時国会が29日召集され、安倍晋三首相による所信表明演説が行われた。首相は地方と女性の活躍を重視しつつ経済成長を目指していく姿勢を強調した。
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野党と対決色の薄そうな課題を主軸に据える一方で、消費税の再増税や集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈変更などの問題にはほとんど言及しなかった。臨時国会のテーマと頼む「地方創生」も構造的に人口減少に取り組む本気度が伝わったとはいいがたい。改造内閣の掲げる「実行実現」の中身が問われよう。
通常国会が閉幕して3カ月を経てやっと始まる論戦だ。首相が演説で日中関係で「安定的な友好関係」を掲げ、首脳会談の早期実現に意欲を示したことは評価できる。だが、全体としてみれば、演説は内外の課題への方針を率直に訴えかけるものではなかった。さきの国会の閉幕後に行われた集団的自衛権行使を可能とする閣議決定について直接の言及はなく「切れ目のない安全保障法制の整備に向けた準備」を表明するなどにとどまった。いくら法整備を来年に先送りしたからといって、解釈改憲の具体的な中身の説明を進んでしないようでは、議論なき既成事実化を図ったとすら取られかねない。
税率を10%に引き上げるかの判断を12月に迫られる消費増税問題も、さきの引き上げに伴う影響への「目配り」の指摘にとどめた。自民党の谷垣禎一幹事長は再増税をしない場合の財政への危険を強調するが、一方で先送り論も根強い。首相の基本姿勢を示すべきではないか。
地方創生にも不安がある。首相は「人口減少は避けられない」との見方を悲観的だとまで言い切った。「次元の異なる大胆な政策をまとめる」と説明、各地で展開する地域再生の取り組みを紹介した。地方の人口減少問題が注目された端緒は民間研究機関による「消滅可能性自治体」の公表だった。人口減少の流れ自体は不可避だとしても地方での減少を可能な限り食い止めることが議論の主眼だったはずだ。
首相も「地方が直面する構造的な課題は深刻」だと語った。だが、その背景以上に演説では「若者がチャレンジしやすい環境」「発想の転換」が強調された。国会に提出された基本法案は具体的な施策の中身まで示したものではない。「やれば、できる」と地方を督励するのであれば、それを裏付ける「異次元」政策のイメージをもっと語るべきだった。地方創生、女性の進出ともに政策に十分な中身が伴わなければ論戦の主役たり得ない。位置づけがあいまいな国会とならぬよう、野党も論点の提示に努めなければならない。(引用ここまで)
各党の政策・主張を知りながら「各党首」に「徹底的に問いただすべき」とゴマカス!
中日/東京新聞 首相所信表明/大事なことを話さねば 2014/9/30 8:00http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014093002000159.html
安倍晋三首相の所信表明演説には、消費税率の10%への引き上げも、集団的自衛権という言葉も登場しなかった。国民の関心事に全く触れない演説では、説明責任を果たしたとはとてもいえない。「行間を読め」ということなのか。言質を取られることを避けたのか。そもそも説明する責任などないと、開き直っているのか。きのうの所信表明演説である。九月初めに発足した第二次安倍改造内閣は「地方創生」を最重要課題に掲げ、臨時国会も「地方創生国会」と位置付ける。
首相は愛知県旧稲橋村(現豊田市)に生まれた明治期の農業指導者、古橋源六郎暉皃(てるのり)が植林や養蚕、茶栽培という土地に合った産業を興した例などを紹介し、「日本の中に眠る可能性を開花させることでまだまだ成長できる」と訴えた。
人口減少や超高齢化社会の到来は日本全体、特に大都市圏以外の地域には深刻な問題だ。どう克服し、若者が将来に夢や希望を持てる地域の社会、経済をつくるのか。一部自治体の消滅という研究も発表され、地域再生は喫緊の課題だ。演説の多くが地方創生に割かれたことも理解する。地域の発展を妨げる規制の打破はもちろん、権限、財源の自治体への大胆な移譲も求めたい。
ただ、国民が直面する課題はそれだけにとどまらない。まずは経済。実質賃金が上がらず、景気が四月の消費税増税で腰折れしても、消費税は来年十月、10%に再増税されるのか否か。国民の関心が集まるのは当然だ。しかし、首相は「慎重に目配りしていくことが必要だ」と素っ気ない。景気動向を見て、国会終了後の十二月に判断するつもりなのだろうが、国会論戦のためにも考えを示すべきでなかったか。
もう一つは集団的自衛権の問題だ。安倍内閣は七月一日、政府の憲法解釈を変更し、行使を容認する閣議決定を行った。平和主義、専守防衛など、戦後日本の「国のかたち」を変える方針転換だ。世論調査でも依然、行使容認反対は六割を超える。なぜ堂々と方針を示して、国会論戦に臨まないのか。来年以降の法整備を念頭に「切れ目のない安全保障法制の整備に向けた準備を進める」と言うだけでは、説明を避けたとのそしりは免れまい。首相が自らの考えを、全国民を代表する国会の場で披歴しようとしないのは許されない。各党首はきょうから始まる代表質問で、徹底的に問いただすべきである。(引用ここまで)