次は北海道新聞です。西日本新聞よりは、各政策について示されれているものの、その対決点について、曖昧です。北海道新聞としての主張と、各政党がどこで、どのように響き合っているか、これでは国民には判りません。さらに現在の多党化の政党政治の状況のなかで、各党が安倍政権とどのように向き合っているのか、国民には見えないようにしているとしか思えません。
しかし、見えないようにしておきながら、実際は、民主・維新しか登場させていないのです。ここにアンフェアーの実態があります。そこで、以下、北海道新聞が問題にしている政策的争点をピックアップしてみます。これらの政策について、どの党が、安倍政権と真っ向勝負しているか、そのことを明らかにするのが新聞の使命ではないでしょうか。各党の政策の違いをはっきりさせ、どの党が何を言っているのか、このことを国民に明らかにすることで、その違いが国民に判らなければ、投票などできるわけがありません。こうしたことを、日本のマスコミ、新聞・テレビが曖昧にしているから、投票忌避が増えるのです。そのことを、人文は、自らの問題として捉え、反省し、各党の政策的違いを明らかにする記事を書くべきです。
1.首相は消費税率を10%に引き上げる是非を年内に判断する。
2.九州電力川内原発の再稼働には問題が多い。
3.環太平洋連携協定(TPP)の交渉内容はいまだ不透明だ。
4.数の力を背景に異論を切り捨てて前進しようとする政府・与党の態度には納得できない。論議を深め、国民の疑問に答えてほしい。
5.高市早苗総務相と自民党の稲田朋美政調会長は極右団体代表との写真撮影
6.山谷えり子国家公安委員長は「在日特権を許さない市民の会(在特会)」関係者と
7.福島県の汚染土を保管する中間貯蔵施設建設や沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題から見えるのは、地元に負担ばかり強いる安倍政権の姿だ
8.中小企業への支援策拡充や、賃上げに向けた政労使会議の開催
9.待機児童の解消や夫が育児参加できる環境づくりなどで
10.地域経済の低迷や人口減少、高齢化など、さまざまな制約に悩まされている
それでは社説をご覧ください。
北海道新聞 国会あす開幕/重要課題で徹底論戦を 2014/9/28 10:00http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/565397.html
臨時国会があす召集される。安倍晋三首相は地方創生と女性の活躍の2本柱で臨む考えだ。人口減対策と地方経済の活性化を図る「まち・ひと・しごと創生法案」や成長戦略の柱となる「女性活躍推進法案」の成立を目指す。しかし、臨時国会で論ずべきはこれだけだろうか。
集団的自衛権の行使を容認する閣議決定は極めて問題が多いにもかかわらず、国会ではわずかに閉会中審査が行われただけだ。ほかにも国民生活に直結する政策課題が数多くある。首相をはじめ政府・与党は重要テーマから逃げてはならない。活発な議論の中から安倍政権が抱える問題点を明らかにすべきだ。首相は集団的自衛権の行使容認をめぐる関連法案の提出を来春以降に先送りする方針だ。臨時国会での深入りは避けようとする姿勢が見られる。憲法の平和主義を逸脱する閣議決定だった。国会の議論を素通りさせることは許されない。野党はさまざまな角度から首相に論戦を挑むべきだ。首相は消費税率を10%に引き上げる是非を年内に判断する。九州電力川内原発の再稼働には問題が多い。環太平洋連携協定(TPP)の交渉内容はいまだ不透明だ。数の力を背景に異論を切り捨てて前進しようとする政府・与党の態度には納得できない。論議を深め、国民の疑問に答えてほしい。
内閣改造、自民党役員人事を受け、政府・与党は新体制で臨時国会に臨む。その中から新たな問題が浮上している。
高市早苗総務相と自民党の稲田朋美政調会長は極右団体代表との写真撮影が問題となった。山谷えり子国家公安委員長は「在日特権を許さない市民の会(在特会)」関係者と写真を撮っていた。外国メディアにも取り上げられ、政治姿勢が問われている。国会の場できちんと説明すべきだ。
民主党は新任の枝野幸男幹事長の手腕が問われる。安全保障政策や野党間の協力体制をめぐる党内の意思統一を図った上で、首相の独走を止める戦略が求められる。心配なのは他の野党の混迷ぶりだ。日本維新の会と結いの党が合流した維新の党は、党内になお政策面の対立を抱えている。みんなの党は浅尾慶一郎代表と渡辺喜美前代表との確執が深刻だ。国民不在の離合集散にはうんざりさせられる。安倍政権としっかり対峙(たいじ)していく野党の役割を忘れないでもらいたい。(引用ここまで)
国民生活に関わる重要政策から逃げてはならない!
これは北海道新聞も同じだ!
どこの党が何を言っているのか、国民に報せる責任がある!
北海道新聞 首相所信表明/意気込みより具体策を 2014/9/30 10:00http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/565761.html
臨時国会がきのう開幕した。安倍晋三首相は所信表明演説で「地方の豊かな個性を生かす」「女性に活躍の舞台を用意する」として、地方創生と女性の活躍を今国会の2大テーマに位置づけた。問われるのは政策の中身である。強い意気込みの割には具体策が伴っていない。与野党の対決構図や霞が関の官僚の論理で動くのではなく、地方の実情や国民生活に目を向けて、的確な政策を打ち出してほしい。演説で首相は根室産サンマをベトナムに輸出する地元の取り組みを紹介した。「地方もオープンな世界へ目を向けるべき時だ」として、環太平洋連携協定(TPP)などの経済連携推進を訴えた。根室の努力はたたえたい。だが首相はこれを自らの政策を正当化する手段に使っていないか。ほかにも全国各地の例を取り上げたが、順調な地方自治体は多くはない。大半は地域経済の低迷や人口減少、高齢化など、さまざまな制約に悩まされている。地方には自由度の高い交付金を望む声が強いが、安倍政権は「ばらまきになる」として否定的だ。中央省庁が地方の事業を「査定」する発想は変わっていない。民主党政権が取り組んだ国の出先機関の地方移管も進まない。カネと権限の両方で足かせをはめながら、地方に個性発揮を求めるのは身勝手というものだ。来年の統一地方選をにらんでの地方重視だろう。だが福島県の汚染土を保管する中間貯蔵施設建設や沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題から見えるのは、地元に負担ばかり強いる安倍政権の姿だ。女性の活躍でも、米国のヒラリー・クリントン前国務長官との会談を自賛するなどパフォーマンスが先行する。上場企業に女性役員数の情報公開を義務づけると述べたが、いかにも上から目線だ。待機児童の解消や夫が育児参加できる環境づくりなどで、着実に実績を積み重ねることが大事だ。消費税再増税の判断や集団的自衛権の行使容認に関する法整備、原発再稼働などには深入りを避けた。「地方」や「女性」で目先を変え、国民生活に関わる重要政策から逃げてはならない。外交政策も説明不足だ。北朝鮮による拉致被害者帰国の見通しは不透明さを増している。中国、韓国との関係改善も、首相が歴史認識などの政治姿勢を変えない中でどこまで進むか見えてこない。国会論戦ではこうした政策の方向性を明示してもらいたい。(引用ここまで)
政策よりも数合わせを優先した合流のツケを批判するなら!
どの野党がどのように安全保障観が違うのか!
国会は安倍政権と民主と維新しかいないのか!
北海道新聞 衆院代表質問/首相は政策の幅広げよ 2014/10/1 10:00 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/566004.html
国会は衆院で安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が始まった。野党は経済、安全保障など安倍政権の政策を問いただした。首相は、従来の方針を貫く考えを強調し、主張が平行線をたどった。衆参両院での自民党優位を受けて、政権運営に自信があるのだろう。首相は「この道しかない」と繰り返す。だが、政策のほころびはあちこちに表れている。既定路線にこだわって選択肢を狭めてはならない。改造内閣が発足し、軌道修正の好機ともいえる。野党の意見も参考にしながら柔軟に対応すべきだ。
国民に関心が高いテーマは、年内に是非を判断する消費税率の10%への再引き上げである。円安に伴う原材料費の高騰や実質賃金の低迷が景気に影を落としている。維新の党の江田憲司共同代表は「今の経済の体力からして増税できる状況にはない」として、先送りを求めた。首相は中小企業への支援策拡充や、賃上げに向けた政労使会議の開催など、政府の努力を強調して反論した。だがこれは小手先の応急措置にすぎない。実際に改善の兆しが現れているわけでもない。大企業を優遇すれば経済全体が良くなるというアベノミクスの発想を見直すべき時に来ているのではないか。少なくとも、成長軌道が鮮明に見通せない限り再増税は見送る判断を下すべきだ。
首相の硬直的な姿勢はほかの政策にも見られた。九州電力川内原発については再稼働方針を崩さなかった。事故時の避難計画の実効性などを確かめる必要がある。安全を後回しにして再稼働に進んではならない。沖縄県の米軍普天間飛行場も、名護市辺野古への移設計画にこだわった。地元で激しい反発を受けながら海底調査を続けている。11月の県知事選の結果が出るまで作業を中断する判断があっていい。反論を無視して持論を通しても数のおごりと批判されるだけだ。首相はそう肝に銘じてほしい。
野党の追及も迫力不足である。民主党の海江田万里代表は集団的自衛権をめぐる議論の先送りを批判したが、行使容認の是非については論戦を避けた。党内の意見がまとまっていないためで、代表としての指導力が問われる。維新の党も旧日本維新の会と旧結いの党で安全保障観が違う。政策よりも数合わせを優先した合流のツケだろう。党内を固めなければ与党に対抗するのは難しい。(引用ここまで)