朝日の姑息、天声人語にも!憲法と日米軍事同盟の矛盾に向き合わない朝日!
いや日米軍事同盟容認論がつくりだす詭弁の典型、ここにあり!
今日の天声人語を読んで、やっぱり朝日は、ここを抜け出せないんだなと思いました。それは以下の部分です。
「異論もあろう。掲げる理想と日米同盟の現実とがかけ離れているではないか」と、わざわざ、「異論」を紹介する形で、日米軍事同盟と憲法が矛盾をしているのだから、ノーベル平和賞受賞は問題ではないのか、という受賞反対派や疑問派の声を紹介する形で、一見すると公平中立を装うのです。これこそが朝日自身の立場をゴマカシている典型記事と言えます。
全体の論調は、憲法擁護なのに、ここにきて、トーンダウンするのです。しかし、実に巧妙です。この部分を読んで、「朝日」は、憲法を採るのか、日米軍事同盟を採るのか、曖昧にしながら、日米軍事同盟を棄てない立場にあることをさらっと言ってのけているのです。いや、それこそ中立の立場なのだ!両方を調整している立場なのだ!という声が聞こえてきそうです。朝日も、憲法も日米軍事同盟も両方を採ろうとしているのだ!という声です。しかし、それでは、朝日の、このような立場をどれだけの人が理解しているでしょうか?愛国者の邪論は、ここに「朝日」の姑息・ゴマカシ・スリカエ・デタラメ・トリックがあると思っています。「非軍事抑止力」論にたつ憲法平和主義の思想と「軍事抑止力」論にたつ日米軍事同盟は、どこから見ても、共存することはできません!いやできる!という人がいるのであれば、論証してほしいものです。現在は、不正常な事態であって、憲法を活かす状況にないことは明らかです。このことを確認しておきたいと思います。
確かに「朝日」の果たしている役割は、産経や読売とは違っています。一見すると安倍首相派と根本的に違ったことを言っているように思われるのではないでしょうか?そうした考え方があっても、それは一つの考え方ですから、問題はありません。しかし、「毎日」「東京」などと同じように、憲法擁護の立場を採りながら、実際のところでは、日米軍事同盟深化派の政策を追認しているのです。こうして憲法の外堀が埋められてきたことを気付く人がどれだけいるか、そのことを強調しておかければなりません。外堀を埋められた憲法が、いよいよ本丸を攻められている!そんな状況に、7月1日以降、あるというのが、実態ではないでしょうか!
しかし、「朝日」などのお陰でもあるのでしょう。憲法という城を取り巻く城下町以外の民衆の住む「地方じかた」では、憲法の理念が脈々と水脈のように流れて樹木や草木、食糧をつくっているのです。しかし、このことは、何も「朝日」のお陰だけではありません。もう一つ強調しておかなければならないことがあります。それは、憲法の平和主義は日本の歴史の中で作られてきているという事実です。実は、庶民が求める「平和」思想、「平和」観は、日常生活の中で脈々とつくられてきているのです。それは室町時代以来の土一揆をつくりだした村々の庶民の戦いに、その源流があります。もっと言えば、9世紀から10世紀にかけて全国各地に巻き起こった悪徳国司を追及する郡司・百姓等の京都の政府への訴え運動に、その源流を見出すことができるのです。憲法9条の思想が外来のものではなく、日本の歴史の中に脈々と流れていることを、高校の歴史の教科書の中に、というか、高校までの日本史の勉強で、実は多くの日本国民は学んでいるのです。因みに、以下をご覧ください。
黒田基樹『百姓から見た戦国大名』(ちくま新書06年9月刊)
藤木久志『中世民衆の世界―村の生活と掟』(岩波新書10年5月刊)
それでは、天声人語をご覧ください。
天声人語 2014年10月11日(土)付 http://www.asahi.com/paper/column.html?iref=comtop_gnavi
有名な短歌のもじりとはいえ口調は真剣だ。本歌は俵万智さんのサラダ記念日。「憲法を解釈だけで変えられる、だから7月1日は『壊憲(かいけん)』記念日」。社会学者の上野千鶴子さんが今月8日、東京の日比谷であった集会で詠み上げた▼7月1日は、憲法9条の解釈を変えて、集団的自衛権の行使を認めた閣議決定の日。その撤回を求めて日本弁護士連合会が催した。第1次安倍内閣などで内閣法制局長官を務めた宮崎礼壹(れいいち)さんも訴えた。「閣議決定は読みようでいくらでも広く解釈し、適用できる。歯止めの名に値しない。反対の声を上げなければ」▼9条の危機を憂える人々の声がやまない。日本の歩む方向が大きく変わるかもしれないという懸念である。なかでも意表をつく発想で国内外から注目されたのが、「9条にノーベル平和賞を」と呼びかける市民の運動だ▼神奈川県の子育て中の主婦が始め、全国に共感が広がった。署名をする人が閣議決定の前後から増え、40万人を超えた。安倍政権の前のめりな姿勢が人々の不安をかきたてたのかもしれない▼異論もあろう。掲げる理想と日米同盟の現実とがかけ離れているではないか。「押しつけ憲法」ではないか。賞を受けるのは「9条をもつ日本国民」とされているが、そのなかには改憲論者もいるのに、と▼それでも、戦後日本に平和をもたらした9条の役割の大きさを否定できるものではない。きのうの受賞はならなかったが、粘り強く続ける値打ちのある挑戦ではないか。(引用ここまで)
それでは、以下の社説をご覧ください。朝日が日米軍事同盟の枠内で、どのように沖縄問題を考えているか、一目瞭然です。対米従属下における沖縄県民の苦悩、日本国民の負担をどれだけのものにしてきたか、アジアで日米軍事同盟がどのような役割を果たして無辜の民を殺害し、その財産を奪ったか!朝日には、その視点は微塵もありません!
日米軍事同盟容認の屁理屈典型社説ここにあり!
沖縄差別解消!沖縄負担軽減解消のためには?!
真の解決は日米軍事同盟廃棄で憲法を活かす日米平和友好条約でしょう!
朝日新聞 辺野古埋め立て/沖縄の負担を分かちあう 2013/12/28 4:00 http://www.asahi.com/paper/editorial.html
米軍普天間飛行場を移設するため、名護市辺野古の海の埋め立てを認める。沖縄県の仲井真(なかいま)弘多(ひろかず)知事が、そんな判断を下した。宜野湾市の市街地の真ん中にある普天間飛行場は「世界一危険な基地」とも呼ばれる。その返還に、日米両政府が合意して17年。移設問題は新たな段階に入ったことになる。普天間の危険は一刻も早く除かなければならない。だからといって在日米軍基地の74%を抱える沖縄県内に新たな基地をつくらなければならないのか。移設計画への反発は強く、朝日新聞社などが県内で今月中旬に実施した世論調査では、64%が埋め立てを承認すべきではないと答えた。知事は3年前に「県外移設」を掲げて再選された。なのになぜ埋め立てを認めるのか。知事は、県民の批判や失望を覚悟しなければならない。
■県民の理解なしには
埋め立て承認によって、移設は順調に進むのか。きのうの記者会見の、知事の言葉を聞こう。
「辺野古については名護市長も市議会も反対していて、実現可能性はそんなに高くない」「県外の飛行場のある場所へ移設する方が早い。暫定的でも、県外移設案をすべて検討し、(普天間の)5年以内の運用停止を図る必要がある」
知事は政府に対し、普天間の24機のオスプレイの半数程度を県外に配備し、さらに5年以内に普天間の運用を停止するよう求めていた。辺野古の埋め立ては認めるが、まず普天間を空っぽにせよ、というのである。「運用停止にとりくむと総理の確約を得ている」と、知事は首相との会談の成果を誇った。首相は、少なくとも公開の場では、オスプレイの県外配備ではなく訓練の半分を県外に移すとしか言っていない。そもそもオスプレイを全機、県外に移すのなら、辺野古の基地は要らない。知事の説明は、県外移設の公約と埋め立て承認のつじつまあわせにも聞こえる。しかし、沖縄の現状を表している面もある。基地負担を県外に移し、県民の理解を得る努力を重ねなければ、辺野古への移設もうまくいくかどうか。来年1月の名護市長選、9月の市議選、11月ごろの知事選と政治日程が控える。結果しだいで建設は頓挫しかねない。承認を得たらこちらのもの。抵抗する市民を排除して工事を進めればいい――。そんな発想が政府側にあるとすれば、すぐ捨てなければならない。県民の反発を強め、今後の数々のハードルを高くするだけだろう。
■「差別」という問い
知事の判断にも、首相の回答にも、沖縄の思いは複雑だ。振興策への歓迎。負担軽減策への落胆。札束でほおをたたいて基地負担を我慢せよと迫るのか、という反発もある。沖縄の内部も、本土と沖縄の間も、分断が深まったようにみえる。近年の沖縄では「差別」という言葉が頻繁に使われる。たとえば公明党県本部が埋め立て不承認を求めた知事への提言も「差別と言わざるを得ない」と断じ、こう記した。安保による恩恵は全国民が享受し、基地の負担は沖縄に過度に押し付けるやり方は、これ以上容認できない。沖縄に基地が集中したのは地理的・軍事的な理由ではない。本土で反対運動が起き、米軍統治下の沖縄に追い払われたのだ……。基地の負担と歴史を重ね、差別だと訴える声もしばしば耳にする。王国をとりつぶされた琉球処分、本土防衛の「捨て石」にされた沖縄戦、独立する本土から切り離されて米国に「質入れ」された経緯である。それは、本土に暮らす者も等しく考えるべき問題だ。日本は戦後、憲法9条の下で平和国家の地位を築いた。ただし、それは日米安保条約による米軍の駐留と沖縄の負担の上になりたつ平和だ。本土の人々はその事実を忘れがちだ。だが、負担を強いられる側は忘れない。意識のギャップが広がれば、何かのきっかけで不満が爆発しかねない。
■環境変化を見据えて
安倍政権が日米同盟を強固にしたいのなら、とりくむべきは沖縄の負担軽減だ。同盟に不可欠なのは、集団的自衛権の行使より何より、駐留米軍への地元の人々の理解である。沖縄が接する東シナ海は緊張を増している。一方で航続距離の長いオスプレイは、県外からでも容易に沖縄にたどりつく。安全保障環境や軍事技術が変わるなか、沖縄になければならないもの、本土で引き受けられるものは何かを、もう一度洗い出すべきだ。移転先の同意を得るのは容易ではない。だが、山口県岩国市は岩国基地に、普天間の空中給油機を受け入れると決めた。努力もせずに諦めていては、話は始まらない。(引用ここまで)