http://no-nukes.blog.jp/archives/8447488.html

きょう12月24日の東京新聞の投稿欄「ミラー」に、沖縄県糸満市の大城規子(66)という人からの投稿があった。その投稿は、12月4日に菅官房長官とケネディ大使が共同発表した米軍普天間飛行場の一部先行返還についての投稿である。

「事情をよく知らない沖縄以外の国民の中には、沖縄のために政府は頑張っているとの誤解があるかもしれません(が)、沖縄では周知の事実をあえておしらせします・・・」

こういう書き出しで始まるこの投稿は、安倍・菅政権の卑劣さを見事に糾弾している。すなわち、今回発表されたのは沖縄米軍基地総面積22、300ヘクタール余のうちの約7ヘクタール、率にしてわずか0・031%であり、しかもその返還は、25年前に返還が合意されていたものであるというのだ。しかも、交通渋滞緩和に向けて以前から地元の強い要請があったものであり、やっと念願がかなった、という。なるほど、こう説明されてはじめて知った。

12月4日の菅官房長官とケネディ駐日大使の共同発表は、とんでもない食わせものだったのだ。よくもそのような発表を、菅官房長官はケネディ大使まで借り出して仰々しく行えたものだ。

ケネディ大使もそのような菅官房長官の思惑を知ってか知らずか、よくもその発表に協力したものだ。
あらためて、菅官房長官の厚顔ぶりと、ケネディ大使の無知、無神経ぶりに怒りを感じる。

しかし、この投稿者が批判したのは、安倍政権と安倍政権に協力するケネディ大使だけではない。この投稿者が一番批判しているのは、実は日本のメディアなのである。その投稿者は書いている。

日本国民があの共同発表に騙されるのも、「沖縄の実情を伝えない本土・大手マスコミの存在を考えれば無理もないかもしれません」、と。

その通りだ。

あの共同発表を報じた本土の大手新聞各紙を、当時私は詳しく読み比べたが、この投稿者が指摘しているようなことを書いて共同発表を批判した記事は皆無だった。みな大きな見出しを掲げて先行返還のことばかり強調していた

投稿者の言葉を借りてしか、安倍政府批判が出来ないメディアは、それだけでもメディア失格である。

「沖縄についての政府発表については一時が万事(筆者註:「一事が万事」の書き間違いであろう)、欺瞞が付きまとっています」

そう言う言葉で締めくくれらているこの投稿を、メディアはよくかみしめるべきである(了)(引用ここまで

沖縄米軍基地の一部を前倒し返還へ 日米が共同発表 2015/12/4 17:3
 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS04H20_U5A201C1000000/
日米両政府は4日、沖縄県内にある米軍基地の一部を前倒しして返還すると発表した。対象は普天間基地(宜野湾市)の4ヘクタールと牧港補給地区(浦添市)の3ヘクタールで、従来の計画より5~8年早く、2017年度中の返還を目指す。返還後はいずれも道路の整備に充て住民の利便性を高める。来年の宜野湾市長選や参院選をにらみ、負担軽減をアピールする狙いがある。

菅義偉官房長官とケネディ駐日米大使が4日、首相官邸で会談して合意、共同で合意文書を発表した。合意文書は、普天間基地の名護市辺野古への移転が「唯一の解決策」であることを確認。そのうえで普天間基地の東側沿いの土地4ヘクタール分について17年度中の返還を目指すとした。今年3月に返還された西普天間住宅地区と国道58号線を結ぶ高架式道路を設置する工事を17年度に始められるよう、キャンプ瑞慶覧(宜野湾市など)内の一部を共同使用することでも合意。牧港補給地区については、国道58号線を拡幅し、交通渋滞を緩和するため、国道に隣接する3ヘクタール分を返還することも明記した。

政府は13年4月に、嘉手納以南の施設・区域それぞれの返還時期を定めていた。普天間基地の一部は当初予定より5年、牧港補給地区の一部は8年それぞれ前倒しで返還されることになる。政府は「日米合意は普天間基地の移設を前提としていない」と説明した。

今回返還などの対象になった地域は宜野湾市など地元自治体がかねて要望していた。沖縄の負担軽減に取り組む姿勢を強調する狙いがある。(引用ここまで