都議選の結果が出ました。自民大勝は予想どおりでした。共産党が、ここまで善戦・躍進するとは思っていませんでした。共産党のガンバリにアッパレ!でしょう。特に2人区で一人、3人区で二人当選したことは大アッパレです。
ところで、この選挙、当初から自民党の大勝が大手マスコミによって「予想」されていました。しかし、自民党支持率の偽り、虚構が証明されました。
自民党に投票した人たちは、有権者のなかで、1人区では24.55%、2人区では16.63%、3人区では12.26%でした。この絶対支持率のなかには公明党の支持者の自民党への投票も含まれますので、自民党ガッチリ支持者というのは、案外多くはないことが判りました。
安倍首相や菅官房長官のウキウキ感とは、ウラハラに、自民党も危ない橋を渡っていることを知るべきです。同時に何としても自公政権を倒して、本当の国民的政権をつくるべきです。
国民の望む政権づくりが、見えてきたような都議選だったように思います。前回の都議選・参院選・総選挙・今回の都議選の票の動きのなかで、マスコミの扇動的役割、これらのなかに国民の意識動向が見えてきます。以下検証を行っていきます。
都議選、経済政策に評価いただいた…官房長官(2013年6月24日13時32分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/news/20130624-OYT1T00647.htm
菅官房長官は24日午前の記者会見で、都議選で自民党候補が全員当選した結果について、「安倍政権に対するありがたい評価をいただいた。特に経済政策に評価をいただいた。これにおごることなく、経済再生、東日本大震災からの復興、危機管理の徹底ということを一心に、着実にスピード感を持って進めていきたい」と述べた。7月の参院選に向けては、「経済の再生を前面に掲げながら戦うのは当然だ」と語った。 自民党の石破幹事長は24日午前、記者団に「慢心することがないよう、引き締めていく」と強調した。(引用ここまで)
政府の官房長官が、「自民党の大勝」に対する安倍政権の政策に対する「評価をいただいた」というのも、本来であれば、おかしな話ですが、自民党も、安倍政権も同じということなんですね。タテマエと実態を使い分けているのがウソっぽいと思いませんか?都合の悪い時は、政権としt政党のことは言えないなどというのです。政権をつくっている自民党政調会長である高市発言について、安倍政権として、何らかの責任を取るべきですね。このスタンスからすると・・・・。
首相「半年の実績評価」…民主幹事長「厳しい」(2013年6月24日01時43分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2013/news1/20130623-OYT1T00934.htm
安倍首相(自民党総裁)は23日夜、都議選の結果について、東京・富ヶ谷の私邸前で記者団に「半年間の政権の実績に一定の評価をいただいた。景気回復を実感していただけるように全力を尽くし、参院選勝利を目指す」と述べた。 各党が国政選挙並みの態勢で臨んだ今回の都議選で、自民党は首相や幹部らが街頭演説を行い、経済政策「アベノミクス」や政治の安定を訴えた。同党は、参院で与党が過半数に満たない「ねじれ国会」の解消を最大の目標とする参院選の勝利につなげたい考えだ。 公明党は、自民党との連立政権の実績や、民主党への批判などを展開し、支持を得た。山口代表は23日夜、党本部で記者団に、「政治の安定を求める有権者の思いは非常に強い。政治の安定の土俵をつくるため、参院で与党に過半数を与えるという選択をしていただけると思う」と語った。 前回都議選で初の都議会第1党となった民主党は、大きく後退し、昨年の衆院選惨敗後も続く低迷ぶりを改めて印象づける結果となった。細野幹事長は23日夜、NHKの番組で「厳しい結果と受け止めている。反省するところは反省し、参院選に備えていく」と述べた。同党は参院選に向け安倍政権の経済政策などへの批判を強める構えだが、党勢回復は容易ではなさそうだ。 「第3極」政党の維新の会は、都議選に候補を大量擁立し、東京で足場拡大を狙ったが振るわず、参院選に向けて課題を残した。同党との選挙協力を解消して都議選に臨み、健闘したみんなの党は、参院選でも独自色をアピールし、支持を広げたい考えだ。 共産党は「自共対決こそ真の対立軸」(志位委員長)との訴えを強め、参院選でも議席増を目指す。(引用ここまで)
やっぱり安倍シンゾー君、ウスッペラです。総選挙の際の自分の獲得票、山口補欠選挙の自民党の獲得票をみれば、安倍政権が支持されたなどとは、とても言えないのですが、言ってしまうところに、おぼっちゃまぶりが見えてきますし、厚顔無恥ぶりが、怖い気がします。こういう人には、事実を突きつけることです。本来はマスコミがやるべきですが、応援団ですから、真実を進言もしないのです。呆れます!
それでは、安倍首相・菅官房長官・マスコミの都議選評が、いかに間違っているか、検証してみましたので、ご覧ください。 以下の一覧表のポイントは、以下のとおりです。
1.ミニ小選挙区制というトリックで、自民党は議席を掠め取った。
2.マスコミの偽り世論調査による世論誘導=低投票率を演出することで、自民党への批判票が現れなかった。
3.自民党の支持基盤は、極めて脆弱であり、世論調査で言われているほどのことはないことが判った。
4.自民と公明の連立合同票においても、有権者比で言えば、圧倒的少数派となった。連立でかろうじて助かっているという程度の選挙であった。
5.自民・民主の同じ穴のムジナ二大政党の本質が浮き彫りになり、民主の化けの革が剥がれたことで、まず民主に有権者の怒り・拒否率が浮き彫りになった。
6.しかし、このことが自民党への支持が上昇したことを意味していないことは、1人区・2人区・3人区の合計28選挙区(66.66%)・議席数54議席(42.51%)の動向を見ると、ハッキリする。
7.しかし、アベノミクス成長戦略の応援団と化し、偽りの世論調査報道に終始するマスコミは、民主主義に反する選挙制度の本質を検証することなく、このまま参院選に突入することは間違いない。選挙前と選挙後の報道を見れば一目瞭然!思考停止報道が続いている!
8.だからこそ、この選挙制度の反民主性について、また高市政調会長のまとめたアベノミクス成長戦略参院選挙公約のウソとデタラメさを徹底的に暴いていかなければならない。
9.そうして国民の投票行動の高まりを、マスコミではなく、草の根から起こしていかなければならない。そうすれば、国民的政権樹立への展望が切り開かれるだろう。
都議会選挙42選挙区結果一覧(その1)
1人区(7選挙区7人)
1人区 |
千代田 |
中央 |
島部 |
武蔵野 |
青梅 |
昭島 |
小金井 |
有権者数 |
42,746 |
107,324 |
23,085 |
117,190 |
113,098 |
91,911 |
95,802 |
議員一人 |
42,746 |
107,324 |
23,085 |
117,190 |
113,098 |
91,911 |
95,802 |
投票数 |
17,309 |
42,169 |
13,570 |
49,643 |
40,221 |
35,273 |
37,947 |
投票率 |
42.63 |
40.81 |
61.15 |
43.98 |
37.42 |
39.55 |
40.91 |
自民党 |
8,449 |
19,682 |
10,986 |
22,261 |
30,208 |
16,633 |
21,509 |
絶対率 |
19.76 |
18.33 |
47.58 |
18.99 |
26.70 |
18.09 |
22.45 |
死票率 |
51.18 |
53.32 |
19.04 |
55.15 |
24.89 |
52.84 |
60.27 |
自支持 |
19.76 |
18.33 |
47.58 |
18.99 |
26.70 |
18.09 |
22.45 |
2人区(16選挙区32人)
2人区 |
港区 |
文京 |
台東 |
渋谷 |
荒川 |
西多摩 |
南多摩 |
北多摩二 |
有権者数 |
183,624 |
167,200 |
152,492 |
180,077 |
162,857 |
207,533 |
187,901 |
159,114 |
議員一人 |
91,812 |
83,600 |
76,246 |
90,038 |
81,428 |
103,766 |
93,950 |
79,557 |
投票数 |
57,353 |
74,084. |
62,315 |
61,855 |
22,361 |
85,496 |
84,491 |
70,095 |
投票率 |
32.52 |
46.22 |
42.52 |
35.66 |
46.17 |
42.94 |
46.24 |
45.98 |
自民党 |
17,566 |
28,460 |
30,220 |
19,230 |
22,361 |
41,683. |
33,415 |
27,868 |
第二位 |
13,262 |
19,693 |
14,603 |
14,501 |
20,203. |
21,064 |
21,960 |
19,367 |
有効率 |
16.78 |
28.79 |
29.39 |
18.73 |
26.13 |
30.23 |
29.47 |
29.68 |
死票率 |
46.62 |
35.00 |
28.07 |
45.46 |
41.65 |
26.60 |
34.46 |
32.61 |
自支持 |
16.78 |
17.02 |
19.81 |
10.67 |
13.73 |
20.08 |
17.78 |
17.51 |
2人区 |
北多摩三 |
北多摩四 |
西東京 |
小平 |
日野 |
三鷹 |
府中市 |
立川市 |
有権者数 |
248,215 |
154,899 |
161,371 |
149,401 |
145,464 |
148,486 |
203,114 |
134,511 |
議員一人 |
124,107 |
77,449 |
80,685 |
74,700 |
72,732 |
74,248 |
101,557 |
67,255 |
投票数 |
96,249. |
64,457 |
61,201. |
53,638 |
60,343 |
60,031 |
78,993 |
52,606 |
投票率 |
40.26 |
42.80 |
39.05 |
37.27 |
42.75 |
41.94 |
40.54 |
37.72 |
自民党 |
36,825 |
25,724 |
21,344 |
21,509 |
21,231. |
25,415 |
35,209 |
27,802 |
第二位 |
30,416 |
17,833 |
12,781 |
16,388 |
16,721 |
18,397. |
22,798 |
16,012 |
有効率 |
27.08 |
28.11 |
21.14 |
25.36 |
26.09 |
29.50 |
28.55 |
32.57 |
死票率 |
30.13 |
32.42 |
44.24 |
27.79 |
37.71 |
27.01 |
26.56 |
16.71 |
自支持 |
14.83 |
16.60 |
13.22 |
14.39 |
14.59 |
17.11 |
17.33 |
20.66 |
第二位の党派は以下のとおりです。
港(自民)・文京(共産)・渋谷(無所属)・荒川(公明)・南多摩(維新)・北多摩二(生ネ)
台東・立川・三鷹・府中・小平・日野・西東京・西多摩・北多摩三・四(民主)・
3人区(5選挙区15人)
3人区 |
墨田区 |
目黒区 |
豊島区 |
北多摩一 |
町田市 |
有権者数 |
209,740 |
224,774 |
222,082 |
249,243 |
344,731 |
議員一人 |
69,913 |
74,924 |
74,027 |
83,081 |
114,910 |
投票数 |
91,928 |
88,960 |
90,191 |
111,561 |
158,290 |
投票率 |
45.32 |
41.03 |
42.32 |
45.93 |
47.21 |
第一位 |
20,502(自) |
17,321(公) |
26,693(自) |
27,998(公) |
46,589(自) |
第二位 |
20,126(公) |
13,877(自) |
18,227(公) |
25,967(自) |
33,977(公) |
第三位 |
19,785(自) |
12,663(民) |
13,320(共) |
18,403(共) |
25,048(民) |
有効率 |
28.80 |
19.51 |
26.22 |
29.03 |
30.63 |
死票率 |
34.28 |
48.65 |
35.42 |
35.13 |
33.37 |
自支持 |
19.20 |
6.17 |
12.01 |
10.41 |
13.51 |
有効率は、有権者に対して、議席に結びついた有効票という意味です。
死票率は、投票総数に対して、当選者獲得票以外の票という意味、議席に結びつかなかった票と比べてみました。
つづく