梅雨入りの翌日は、
梅雨明けを先取りしたやうな、暑い晴天。
白く光る街では、
當世流に白く塗った女性たちの顔は白く照り返され、
明太子のやうに真っ赤な口紅は、
一際あざとく冴えわたる。
二階の窓から眺むれば、
空は西へ傾く太陽に、
旅情色へと染まりはじめる。
“思へば限りなく 遠くも来ぬるものかな”
私は居ながらにして、
かなたへの旅人となる。
陽の当たら . . . 本文を読む
goo blog お知らせ
プロフィール
-
- 自己紹介
- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
最新記事
カテゴリー
最新コメント
- GS/ニッポン徘徊──旧下大崎村点景。
- Stargate/帝国の関門、のちに海の玄関、そして永遠。
- ししまる/いまさらあってもしょうがない。
- ししまる/おなじあなのむじな。
- ししまる/かがみにはうつらない。
- ししまる/ごえんとはそういうもの。
- 紫陽花/よくみねぇ。
- 紫陽花/ささやき。
- ししまる/さりながら、さりながら。
- ししまる/あきぬあじわひ。