迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

白昼覗きからくり。

2018-06-07 23:45:41 | 浮世見聞記
梅雨入りの翌日は、 梅雨明けを先取りしたやうな、暑い晴天。 白く光る街では、 當世流に白く塗った女性たちの顔は白く照り返され、 明太子のやうに真っ赤な口紅は、 一際あざとく冴えわたる。 二階の窓から眺むれば、 空は西へ傾く太陽に、 旅情色へと染まりはじめる。 “思へば限りなく 遠くも来ぬるものかな” 私は居ながらにして、 かなたへの旅人となる。 陽の当たら . . . 本文を読む
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