今年も確定申告の受付が始まる。
この時期が来ると決まって思ひ出すのが、大阪時代に初めて確定申告をした時のことだ。
朝早く税務署に出かけて、係員に書き方を教わりながら何とか仕上げて提出し、ホッとして驛前まで来ると、大判の封筒を携へた大先輩が、向かふから歩いて来られるのに逢った。
大先輩は私の姿を見つけると、「おう」とにこやかに手を挙げ、「お前、(確定申告に)行ったんか」と、気さくに話しかけ . . . 本文を読む
東海道本線の驛弁が、スーパーマーケットで売られてゐたので、買っていく。
列車内で、車窓を楽しみながら──
も、今は昔。
東京圏の列車はおしなべて通勤電車仕様に変化したので、あの車内で驛弁をひろげるのは、現在(いま)では却って野暮ったく映ってしまふ。
何とも風情の無い時代になったもんだと思はなくないが、しかし沿線人口の爆増による朝夕の殺人的混雑を思へば、通勤電車仕様への転換はやむなし、そ . . . 本文を読む