人災疫病禍にあることを鑑みて、規模縮小といふ形で二年半ぶりに再開された上目黒氷川神社の「第5回 おかげマルシェ」にて、現代手猿樂「村雨留(むらさめどめ)」を披露する。二年前に能の名曲「熊野(ゆや)」から取材し、小書(特殊演出)の“村雨留”を曲名につけて創り、御縁があればその年の「おかげマルシェ」で初演するつもりだったが、生憎の人災疫病禍に . . . 本文を読む
ラジオ放送で、喜多流の「田村」を聴く。清水寺の値千金な櫻と清水寺縁起、そして伽藍建立の檀那となった坂上田村麻呂(田村丸)の武勇譚がうまく融合された、“勝修羅三番”のうちのひとつ。謠ひはすべてが謠ひどころであり──聴かせどころかどうかは謠ひ手次第───、謠ってゐるうちに清水寺を訪ねた氣分に浸れる間違ひなく春の名曲。曲の後半、坂上田村麻呂が千手觀音の加勢を得て勢州鈴鹿の“惡魔”を鎮めた武勇が再現される . . . 本文を読む