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本日より、基本的に感染症對策は「個人の判斷に委ね」、感染時の初診料は官の試算で約4,170圓、ホテル療養は廢止、感染者の行動制限は設けず、しかしワクチン接種については無料云々──
日本で感染者が確認されてから三年、この舶来病菌もだいぶ弱毒化したとされ、官もそれを機に“タダのカゼ”扱ひへと移行せり。
この人災疫病については、ヒトは早くから身体(からだ)よりも先に、心に免疫を付け、それが各地で“○○ケーサツ”なる正義漢と激しい攻防を展開したことは、もはや懐かしい思ひ出噺となりつつあります。
先日に聴いたラジオ番組で、普段はライヴ活動を行なってゐるらしいパーソナリティが、行動制限が緩和されたことについて、「コロナも落ち着いて……」とうっかり口にすると、アシスタントがすかさず「まだまだ感染状況は續いてゐるわけですが……」と、やんわり訂正してフォローする一幕があり、結局さういふ程度の認識なんだな、と苦笑ひしたものです。
かつては高額な貴重品だった使ひ捨てマスク、いまは地元でヒトのゐない場所では外してゐますが、電車やバスに乗る時、また街なかへ外出してゐる時は常時着用を續けてゐます。
近頃では電車内で平氣で咳をするヒトもすっかり復活し、まったく蚊とゴキブリとアレだけは絶滅しないものだと、大荷物を曳いてゾロゾロ移動する異人觀光客どもと併せて、街からヒトが消えた三年前が、懐かしく思へてしまふのであります。