東京都北區のお札と切手の博物館で、特集展「お札模様 流線が描くArt 工芸官作品展」を觀る。
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紙幣の歴史とは、そのままニセ札との闘ひの歴史にて、あの手この手の防御策のなかで發達したのが、紙幣を幾筋もの微細な線で彩る幾何學模様──“彩紋(さいもん)”なり。
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(※案内チラシより)
國立印刷局の専門職員“工藝官”たちによって生み出された數々の彩紋には、華麗なやうでゐて「さぁマネ出来るものならやってみろ!」と云ふ真剣勝負の強い矜恃が聞こえてくるやうで、ただ「へぇ……」と感心するばかりでは許されない、背筋をピンと伸ばしたくものがある。
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しかし、彩紋ひとつひとつのあまりの細かさに、見てゐて目がチカチカしてくるのには困った。
かういふものを贋造しやうなどと云ふヤツの氣が知れぬわえ。