所用で「街」へ出ると、この時期は黒服をまとった嘴の黄色い月給鳥の群れが、あちらをウロウロ、こちらをチョロチョロ。
どこか近くで葬式でもあったのかしら? と思ふやうな、これら街のムダな混雑渋滞要因の一掃された昨春が、まったく戀しいばかりであります。
トウキョウにいったい何の幻を見たのか、うろたへ眼の田舎上りどもがとりあへずマスクだけはして徘徊してゐる様を見てさへも、今年はあと何波襲はれるか、“正の字”で數へてやらうかと思ひます。
そんなトウキョウでは今日、女知事が「マンボウ」を國へ要請検討云々。
忘地方では、日時も場所も記されてゐないワクチン接種の予約券が届ひて混乱云々。
相変はらずな飲食店イジメ、そして十萬圓給付騒動のぶり返しのやうなお粗末行政──
疫病の日々進歩に對して、ニンゲンはなんら進歩してゐない現實が、ここでも明らかであります。
他力本願ではとても生き残れないことを、
いいかげん春眠から覺めて悟るべきでありませう。