昼間は時おり水粒を落としてゐた曇天が、暗くなってから本格的に雨粒を叩きつける。

それでゐて向かうの雲間には月が覗いてゐる。
いまの浮世は、萬事がこの調子である。
安倍晋三元首相の告別式が執り行はれた今日、芝の増上寺には朝から大勢の一般人が献花に訪れ、そのあまりの數に受付を中止云々。
予定の都合がつけば、私も焼香に訪れたかったが、これも縁の為すわざか。
なんだかんだ云っても、國民から廣く愛されてゐた人だったのだなと、今になって知る。
人災疫病禍はすでに“第七波”に入ったと認識されたなか、「全國旅行支援」の開始は延期と決定云々。

經済活性化は旅行支援ではなく、庶民の日常生活に欠かせない品々の異常な値上げを食ひ止め、もとの価格にまで引き下げることにある。
いまの為政者代表の真価は、ここで試されると云ふものだ。