かつては立ち小便禁止として、塀に“⛩”を描くのが一般的だったが、都内忘所ではさらに踏み込んだ、御佛の尊顔を掲げた注意書きに出會す。

これはなかなか強い印象を與へる。
が、角がむしられてゐるのを見ると、効果のほどはまた別かもしれない。
ちなみにこの街では立ち小便が後を絶たないため、行政が大小問はずほとんどの公園に公衆便所を設置したと、地元人から聞いたことがある。
私はふと、これとは別に、天狗が釈迦如来に扮して結局は帝釈天に撃退される「大會(だいゑ)」と云ふ能で、シテの天狗が尊顔を模してゐるのに胡散臭い釈迦如来の面をかけて登場するのを思い出した。