迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

てつみちがゆく―ラッキートレインの極意

2017-03-02 20:45:10 | 鐵路
駅で東急東横線を待ってゐたら、↑な車両が入ってきよった。

東武鉄道の9050系。

昭和50年代に9000系として現れた、そのくせまるで昭和の香りのしない、迷車だ。

それを、副都心線・東横線乗り入れ仕様にマイナーチェンジし、“9050系”などと名付けたのが、この逸品。

が、どこをだうマイナーチェンジしたのか、パット見ではわからないくらゐ、

ダサい。

とにかく、

ダサい。

そもそも、なんでこんなデザインでOKが出たのか、まったく理解に苦しむブサイクぶり。

モーター音も、「いつの時代やねんっ!」とツッコミたくなるやうな、ダサダサぶり(※一部、新しいモーターを付けた編成あり)。


この代物のために東急9000形が東横線を追われ、しかもこれが同じ9000といふ形式を名乗ってゐるかと思ふと、総身が震へる。

そればかりか、“優等列車”として、東横線に乗り込んでゐる……!


しかし、である。


わたしはこの車両、

実はキライではない。


なぜならば。


“徹底的に”、ダサいからだ。


そう、キーワードは、

『徹底的』


ここまで徹底してダサいと、嫌悪を通り越して、かへって小気味がよいといふものだ。

あっぱれ!

と言ってやりたくなる。

大したもんだ!

と褒め称へてやりたくなる。


わたしがキライなのは、

『中途半端』

『平凡』


何事も、やるなら『徹底的』であれ。


わたしのモットーに見事合致した、この東武鉄道9050系に東横線内で出くわすと、

「来やがったな……!」

と、内心でニヤリとしたくなる。
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