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「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            "目黒のさんま”の味

2009-09-06 05:33:10 | Weblog
秋の味覚さんまが今年は豊漁だそうだ。東京・築地市場への入荷量は昨年より五割
増しで、8月は1500㌧もあったという。庶民には嬉しいニュースである。わが家の近く 
のスーパーはどこの店も例年よりも早くさんまの大安売りが始まっている。

僕の住む目黒区では、この時季、落語の「目黒のさんま」にちなんで恒例の二つの「さ
んま祭り」が催される。一つはJR目黒駅東口商店街主催の「めぐろさんま祭り」で、今
日(6日)催されている。もう一つは目黒区が協賛する「目黒SUNまつり」で、こちらは
20日(日)に開催される。目黒駅前の商店街が行政的には品川区にあるため、二つに
別れて開催されるわけだ。どちらも東北の宮古市(岩手県)や気仙沼市(宮城県)からさ
んまの提供があり、まつりの日は町中が、さんまを焼く煙で充満する。

さんまは「秋刀魚」とも書き、今が旬だが、僕は目黒に80年近く住んでいながら、あまり
好きではない。落語の殿様とバカにされるのを嫌うわけではない。子供の時の食習慣
にすぎない。目黒は海(東京湾)まで直線距離で5,6㌔。僕が子供だった頃は大森海岸
の漁師が自転車の荷台に獲り立ての魚を積んで売りにきてた。いくらでも江戸前の生き
のよい魚が食べられた。それに冷蔵技術の進んでいない時代である。今のようにさんま
は市場に出回っていなかったし、多分、殿様が食べたのとそれほど変わらないさんま
だったのだろう。母親が七輪でさんまを焼いて、食べさせたてくれた記憶はない。