「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          デパート経営は転換期

2009-09-10 05:13:37 | Weblog
百貨店5社の8月の売上げ速報によると、前年同月比8-11%減だという。”さも
ありなん”という気がする。この不景気であれば、わざわざ高い交通費をかけて
まで都心のデパートへ買物に行く気持ちにはならない。先日も新聞の折込に他の
チラシとは比較にならないほど立派な紙を使い、豪華な印刷の広告が入ってきた
が、今ひとつ購買力はそそられない。

古い話で恐縮だが、戦前東京の地下鉄が銀座線だけだった頃、銀座、日本橋の
デパートのある駅に降りると、化粧品のいとも言われぬ芳香が漂ってきた。昔は
この芳香がデパートの豪華さの象徴であった。そして、店の包装紙が信頼力の印
であって、客の自尊心を満足させたものだった。

東京だけではなく、各地方にも、その町を代表するデパートがあって住民の誇りで
あった。僕も転勤で長野、郡山、札幌で生活したが、今や三都市ともかってのデパ
ートは閉店したり、昔のように繁盛していない。横浜には"浜っ子"誇りの「野沢屋」
があったが廃業し名前も消えた。札幌の駅前の「五番舘」もそうだ。

デパート経営は転換期にきているのだろう。都心の一等地にありながら、お客は”デパ
チカ”以外あまり入っていない。高給とりの店員が手持ちぶたそうにしている。これで
は採算はとれるのだろうか他人事ながら心配になる。超豪華な広告を見ると、昔なが
の”豪華路線”を歩んでいるようだが、地方都市のかって栄えたデパートの廃屋をみる
と、果たして大丈夫なのだろうか。