「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          日航の”親方日の丸”体質

2009-09-14 04:33:29 | Weblog
経営危機の日本航空が世界最大の米航空会社デルタ航空との間で資本業務提携を求め
て交渉中だという。どうやら、この交渉の筋書きは、国土交通省が書いたものらしい。それ
ほど日航の経営危機は深刻化していて、政府も座視できない状態にきているのだろうか。

このニュースを聞いて誰もが「親方日の丸」という言葉を思い浮かべたのではないだろうか。
日航はかっては半官半民会社だったが、昭和62年に完全民営化した。だが、日航が日の丸
を背負った”ナショナル・フラグ・キャリアー”(国を代表する航空会社)だったために「親方日の
丸」のイメージがどうしてもついてまわってくる。

「慣用句ことわざ辞典」(三省堂)によると「親方日の丸」の意味はー。”日の丸は日本国を象
徴するもの。すなわち親方が国家であるーという意味で、自分たちの背後には国家が控えて
いるので倒産などへ懼れはないという公共企業体などの安易な考え方を皮肉っていう言葉だ
という。

日航は今年4-6月の税引後利益は990億円の赤字で急速に経営が悪化、国側が債務保証
をした上で日本政策投資銀行や民間銀行が1000億円を融資した。しかし、年末にはさらに1000
億円が必要といわれている。デルタ航空との交渉でも約500億円の出費を求めている。

日航経営悪化の要因は、世界的な不況や新型インフルの流行による乗客の減少など外部的な
ものもあるが、慢性的ともいえる内部要因、乗務員クルーの労組問題、超のつく企業年金支払い、
人員過剰などなど、指摘されている。社長が赤いハッピで街頭に出て客の呼び込みまがいのデモ
ンストレーションでは、あまりにも策がなさすぎる。