「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      ”老人だまし”の「後期医療制度廃止」

2009-09-19 04:52:11 | Weblog
発足草々の鳩山内閣にケチをつけて申訳ないが、長妻昭厚労相の発言が連日、新聞の
大きな見出しになっている。が、果たして実現できるのだろうかー。言葉は悪いが僕には
"羊頭狗肉”にみえてならない。とくに僕ら後期高齢者には最大関心事の"後期医療廃止”
の発言は無責任しすぎる。”老人だまし”である。

朝日新聞の9月17日付夕刊(首都圏版)の一面トップに大きな活字で”後期高齢者医療
制度廃止明言”とあったが、なんのことはない。よく読むと廃止時期や廃止後の財源につ
いては「明言」がなく"現状を把握した後で”と逃げている。つまり現状を把握してダメなら
元の黙阿弥になるかもしれないし、制度を変えただけの”年寄りだまし”になる可能性が
ある。

僕個人的には一日も早く制度を廃止して貰いたい。後期高齢者夫婦が年に支払う保険料
は介護保険を入れると30万円を越す。月に直すと3万円以上だ。さらに僅かばかりの収入
があるために"現役なみ”の認定を受け三割の自己負担である。しかし、保険制度の性格上
仕方がないと我満している。

長妻氏は厚労相を引き受ける以上、年金だけでなく国民医療費の現状については、少なく
とも僕以上には知っているはずだ。少子高齢化の進行で、国民医療費はすでに2007年度
で34兆円にのぼり、後期高齢者が三割を占めている。長妻厚労相もこの程度は先刻承知の
筈である。

"打出の小槌”があるわけではない。長妻厚労相は”老人だまし”の発言ではなく日本の
医療費の危機的現状を年寄りにも解かりやすく説明し、敬老の精神で協力を求めるべき
である。僕の90歳の先輩は軍人恩給まで収入に加算されて三割自己負担し"後期”医療
制度に協力している。無責任な発言は控えるべきだ。