「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       ”歌は世につれ世は歌につれ”と言うけれど

2011-10-05 07:14:06 | Weblog
老人にファンが多いNHKラジオの「深夜便」の午前3時のコーナーを先日聞いたら、昭和38年の流行歌が流れてきた。懐かしいものばかりだ。「こんにちは赤ちゃん」「高校三年生」「美しき10代」「見上げてごらん夜の星」「東京五輪音頭」などなど11曲全部メロディを知っており歌えるものばかりだ。とたんにまだ貧しかったが、元気だったあの時代がよみがえってきた。

"歌は世につれ世は歌につれ"-いわれるが、昭和38年(1963年)はまさにそうだったような気がする。翌39年の東京五輪を前にしてわが国はまだ、それほど豊ではなかったが、エネルギーに満ちていた。個人的にも僕も32歳、年老いた両親と2児を抱えて安月給で生活は苦しかった。が、何か将来に対して漠然とはしていたけれど夢があった。

今は老妻と二人きりの生活である。会話も限られている。そのせいなのだろうか。今、世の中でどんな歌が流行しているのか知らない。ネット情報だと、AKB48の歌とか「トイレの神様」「マルマルモリモリ」とかいった変な題名の歌がヒットしているらしいが、一向に僕の耳には入ってこない。これは年寄りだけの現象なのだろうか。

先週の日曜日、NHKの「のど自慢」を聞いていたら若い女性が「東京ブギウギ」を歌って鐘を三つならした。彼女のほかにも、懐メロに属する「高原列車は行く」とか「見上げてごらん夜の星」といった歌を若い人が歌っていた。なぜ、こんな古い歌がもてはやされ、今の歌が歌われないのか。"歌は世につれ”というが、現在は歌が流行する余地がないほどサツバツとした時代なのだろうか。"がんばれ日本”も掛け声で終わっては困る。明るい元気な歌が流行する世の中になってもらいたい。