「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        バンコク大洪水、東京は大丈夫なのか

2011-10-27 06:11:56 | Weblog
タイの首都バンコク全域が冠水の恐れが出てきた。政府は最悪の事態を想定して27日から5連休を実施しているが、市内のドンムアン空港の滑走路まで水浸しになり、国内線は運航を停止している。さらに王宮の前まで水が来ている。大変な災害だが、こんな事態が東京でもまったく起こらないとは限らない。

101年前の明治43年7月、東京は台風の影響などで2週間に渡って大雨が降り続き死者324人、家屋の流失1,679戸という大被害が出ている。当時の写真を見ると、下町では二階から舟で出入りし、歓楽街の浅草の六区まで水浸しになっている。この大水害のあと政府は大掛かりな水利事業に乗り出し、15年がかりで全長22キロにわたる現在の荒川放水路を完成した。

昨年だったか政府の行政刷新会議の事業仕分けで、完成にまで400年かかるという東京の"スーパー堤防”がムダの代表としてヤリ玉に上り廃止がきまった。当時ぼくも200年に一度起きるかどうかの大雨を想定して、こんな堤防をつくるのは、どうかなと正直思った。しかし、今回の東日本大震災である。廃止と決まった”スーパー堤防"事業も予算を縮小して継続することになったようである。

大地震、大洪水といった天災は、日本のような国では宿命なのである。先人たちが行ってきた治山、治水事業に感謝しなければならない。と、同時に絶えず、その予防防止対策に心がけていなければならない。東日本大震災は、その意味でよい教訓を与えてくれた。