「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       一億人の胸がなり底力を出していた時代

2011-10-28 06:15:06 | Weblog
2010年10月実施あれた国勢調査によると、日本の人口は1億2535万人で、前回05年の調査に比べて37万人減少した。いよいよ人口減少時代に入ってきた。総務省の推定では日本の人口はこのまま行けば、2046年には1億人を割り込むことになる。

昭和1ケタ世代にとっては"人口1億人”時代が懐かしい。子供であった昭和15年の「紀元二千六百年」の奉祝歌には"今こそ祝え、この朝(あした)。紀元は二千六百年、ああ一億の胸はなる”とあった。また翌16年、NHKが公募した「出せ一億の底力」という歌にも"歩調をあわせ一億いざともに御稜威(みいつ)の下まっしぐら”とある。戦争を勝ち抜く国威発揚のため政府は意識的に人口1億を強調していた。

日本の人口の推移をみると、人口が1億人を突破したのは、実は戦後の1960年代後半である。戦争中は”産めよ増やせよ”が国のスローガンであり美徳でもあった。どこの家庭でも5人以上子供がいたのが普通であった。人口は確かにこの時代に急激に増えた。

しかし、その反動であろうか、戦後は減ってきている。避妊薬のCMで代表される”一姫二太郎三Cゼリー”の時代にはいる、団塊世代の出産が一段落した昭和20年代後半から出産率は減少、ついに”一姫二太郎”はおろか、1・31人になってしまった。

人口の減少は国威に比例するといわれるが、なんとはなく、ここ数年日本の元気がなくなっている。政府は「少子化」対策に取り組んではいるが、毎年のように大臣が交代していては長期的なビジョンもたてられない。今こそ、人口が1億を割り込まないよう、底力を出す時ではないだろうか。