「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

老人も手書きで手紙を書かなくなった!

2013-10-07 06:09:17 | Weblog
先日文化庁が行った国語調査(2012年)で”手紙は手書きで書くものだ”とする若い世代が増えていると、新聞に出ていた。80歳を越えた僕らでも最近は、めったに手書きで手紙を書かないし、また貰わない。最初、僕はうっかり、若い世代が手書きで手紙を送る、ことが流行しているのかと勘違いしたが、そうではないのだ。彼らにとっては、手紙は文字通り手で書くもので、それ以外は”メール”なのかもしれない。

パソコンやケータイなどによる電子メールが普及するまでは、手紙は電話とならんでもっぱらの通信手段であった。家の郵便箱には毎日数通は郵便物が入っていたものだが、最近は一通も入っていない日もある。書棚の隅に「手紙文書実例大辞典」という本が眠っている。かっては、どこの家にもこの種の本があったものだっものたが。この「大辞典」の季節の挨拶の項にこういうのがあった。「灯火親しむの侯」「天高く馬肥ゆる秋」「二百十日も穏やかにすみ」etc。とても今の時代、メールで使える言葉ではない。やはり、手書きの手紙、それも墨書が似合う言葉だ。

「灯火」といってもLEDの蛍光灯では、季節感はないし、「馬肥ゆる」といっても都会では馬などどこにもいない。時代の流れなのだろう。若い人が手紙は手書きで書くもの、といった意識が解る。パソコンの「Word」を使って印刷したものは、形態は手紙であっても手紙ではないのだ。手書きで手紙を書かなくて以来、漢字は読めても書けなくなってた。そして友人、知人との関係が疎遠になってきた気がする。