昨日の日曜日早朝7時、家の固定電話が鳴った。町会からの連絡電で”雨のため今日の町内清掃は中止です”とのこと。わが町は”幻の東京五輪”(昭和15年)前後に急成長した。下町ではないが、比較的まだ東京の良さが残っている。秋の一日、有志が集まって町内の主だった通りなどを掃除する。戦前、東京には”秋の大掃除”という行事があり、各家庭一斉に掃除をしたがその名残であろう。
亡父の日記を見ると、戦時下、東京では隣組の組織がしっかりして週に一回は「常会」という隣近所の集まりがあり、組長が重要な知らせを伝えた。戦争がはげしくなると、月に一回ぐらい防空演習があり、亡母はモンペに頭巾をかぶり、バケツリレーによる消火訓練に参加した。”秋の大掃除”も、町をあげて強制的な行事で、各家庭とも畳をあげて、一斉に秋空の下で埃を叩いたものだ。この姿はもう東京ではみられなくなった。
2010年から25年までの15年間で、少子高齢化が一番進むのは東京だという。厚労省の統計ではなんと65歳以上の人口が74.3万人も増える。しかし、これといった対策が取られているようには思えない。国は老人の医療介護については「病院完結型」から「地域完結型」にしようというだけだ。つまり、人生最後”終いの地”を家にし、それまでの看護は地域ぐるみで見ようというもののようだ。
しかし、肝心の地域社会はどうなっているのか。”格子を開ければ顔なじみ”(「隣組の歌)の時代ではない。わが町は春秋二回、日帰りのバス旅行。夏のラジオ体操会、料理教室など開いて町内の親睦を図り、真冬には拍子木を叩いて”火の用心”まわりをしている。お蔭で町内には犯罪がない。国は「地域完結型」の医療看護を目指すならば、地域包括センターといった役所仕事だけにまかせず、もっと町内会に協力を仰ぐべきだ。
亡父の日記を見ると、戦時下、東京では隣組の組織がしっかりして週に一回は「常会」という隣近所の集まりがあり、組長が重要な知らせを伝えた。戦争がはげしくなると、月に一回ぐらい防空演習があり、亡母はモンペに頭巾をかぶり、バケツリレーによる消火訓練に参加した。”秋の大掃除”も、町をあげて強制的な行事で、各家庭とも畳をあげて、一斉に秋空の下で埃を叩いたものだ。この姿はもう東京ではみられなくなった。
2010年から25年までの15年間で、少子高齢化が一番進むのは東京だという。厚労省の統計ではなんと65歳以上の人口が74.3万人も増える。しかし、これといった対策が取られているようには思えない。国は老人の医療介護については「病院完結型」から「地域完結型」にしようというだけだ。つまり、人生最後”終いの地”を家にし、それまでの看護は地域ぐるみで見ようというもののようだ。
しかし、肝心の地域社会はどうなっているのか。”格子を開ければ顔なじみ”(「隣組の歌)の時代ではない。わが町は春秋二回、日帰りのバス旅行。夏のラジオ体操会、料理教室など開いて町内の親睦を図り、真冬には拍子木を叩いて”火の用心”まわりをしている。お蔭で町内には犯罪がない。国は「地域完結型」の医療看護を目指すならば、地域包括センターといった役所仕事だけにまかせず、もっと町内会に協力を仰ぐべきだ。