「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

日本遺族会の慰霊碑”整理”事業

2013-10-23 06:22:31 | Weblog
昨日の衆院予算委員会で「日本維新の会」の山田宏議員が安倍総理の靖国神社参拝問題に関連して、フィリッピン.レイテ島の戦没者慰霊碑について質問していた。山田議員は最近同島を訪れ、荒れたままの慰霊碑を、写真に撮ってきた東大、慶応大、二人の調査結果を紹介、これについての見解を質した。

大東亜戦争の激戦地であった南方各地には、戦後生き残った戦友や遺族によって建てられた民間慰霊碑が数多くある。しかし歳月の経過で、関係者の老齢化もあって維持管理が難しくなってきている。そこで数年前から厚労省は日本遺族会など民間に委託して、その”整理”事業を行っている。

平成13年、僕は「日蘭戦争資料保存会」のメンバーと共にジャカルタの「墓地博物館公園」(Museum Prasasty)の一角に野ざらしにされていた広安挺身隊の慰霊碑再建を記念して、インドネシアを中心にした「南方各地慰霊碑一覧」という小冊子を発行した。僕らの狙いは、次世代に対して慰霊碑の所在を明らかにし、そのいわれを伝えたいというものだった。

ところが、平成20年、われわれのメンバーの一人である日本インドネシア美術協会の益子恒資さん(95)宛てに日本遺族会から連絡があり、僕らの造った「南方各地一覧」に記載されてある東カリマンタン.カランジュランにある慰霊碑を整理したいと申し入れてきた。この慰霊碑はカリマンタンでの戦争関係者が平成2年に建立したもので、今でも現地の人がきちんと維持管理している。日本遺族会は現地でのずさんな調査で、慰霊碑の管理者がすでに死亡というのが取り壊しの理由であった。

レイテ島にある慰霊碑について日本遺族会が調査したかどうかは不明だが、調査する場合には、きちんとした調査をしてもらいたい。どの慰霊碑も亡くなられた英霊への思いをこめて建てられたものである。日本遺族会のHPには”維持管理の不良のもの”は整理するとあるが、僕個人としては、とてもやりきれない気持ちだ、昭和30年遺骨収集船、大成丸が軟腐各地で遺骨収集の際、建立した慰霊碑の中には放置された状態のものもある。民間慰霊碑を整理する前に国としてやるべきことがあるのではないか。