「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”お茶で濁されるな”北朝鮮との拉致交渉

2014-10-24 04:52:22 | Weblog
このところ首都圏は気温が下がりめっきり秋が深まってきたが、”夏の終り秋の初めには”と約束されていた北朝鮮の拉致被害者調査がやっと動き出した。と、いっても調査結果が判明した訳ではなく、向こう側の意向に沿って、平壌に調査団を派遣するだけ。調査はまだ北朝鮮の言葉を借りれば「初期段階”だそうだ。またぞろ、「北」の、その場しのぎ”お茶を濁す”作戦の感もあるが、安倍総理の言うように「(調査団を)派遣しないことで調査を打ち切られるリスクを考えれば、やむをえないのかもしれない。

交渉は相手のあることであり、一朝一夕でないのは解るが、問題は拉致という人道的なものである。拉致を「北」が認めてからでも12年の歳月が流れている。安倍政権は拉致問題の解決を最大課題に掲げ”対話と圧力”で、交渉に当たってきたようだが、少し相手を見間違えたような気が僕にはする。今年7月、在日朝鮮人連合会(総連)の許宋萬議長ら幹部4人が8年ぶりに祖国に帰った。これについて、僕は拉致問題解決への安倍政権のとった宥和政策の一つだが、時期尚早ではないかと見ていた。許宋萬議長は、先頃帰国したが、拉致問題解決には何も触れていない。

安倍総理は調査団派遣にあたって改めて”拉致問題が最重要だ”と「北」側に伝達せよと指示した。当然の事だが、もしかすると「北」側は戦争直後帰国の際、「北」の地で亡くなった人たちの墓参を許可した問題を持ち出し”恩を売る”作戦に出るつもりかもしれない。今考えると、拉致問題解決と墓参とを併行して議題にすべきではなかった。

調査団は伊原純一外務省アジア大洋州局長をトップに拉致問題対策本部、警察庁からも要員10人が派遣されるそうだが、相手が相手の事。相手のペースにはまらず”お茶で濁されない”ように同胞の救出に全力をお願いしたい。