「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

糖尿病治療薬「アクトス」と膀胱ガン米国訴訟で一兆円の損害賠償 日本ではどうなのか?

2014-10-30 05:55:05 | Weblog
今年の11月から東京の自動車ナンバーに「世田谷」が導入されるのに抗議して世田谷区議ら132人が保坂展人区長と区を相手取り訴訟を起こしたという。「世田谷」は現在の「品川」ナンバーに比べブランド名が低く、区民のプライバシ―を侵害するといったような理由からだそうで、原告一人当たりに一円を支払えということ。争い事が嫌いな僕には今一つ訴訟の理由が解らない。

一方、昨日の新聞に米国のルイジアナ州で武田薬品の糖尿病治療薬「アクトス」を服用して膀胱ガンになったとして、裁判所が武田薬品と米国の販売会社に40億ドル(4000億円)を支払えという判決を出した記事が出ていた。一審では100億ドル(1兆円)だったそうだから、大幅の減額だが、僕からみれば天文学的な数字である。

2011年6月29日の小ブログで僕は「アクトス飲んで膀胱ガンになった!」という自分の体験談を書いた。その時点で厚労省は、アクトスによる膀胱ガンの発生率は非使用者に比べて長期常用者は1.40倍のリスクがあり、服用しないよう医療機関に通達していた。しかし、その後、アクトスが発売禁止になっという話は聞かない。ルイジアナ州の裁判でも武田側は、判決を不服として上級審に控訴するようだし、インターネットのHPでも膀胱ガンとの相関性は公式には認めていない。

日本人はもともと裁判事は欧米に比べて好まないと聞いていたが、最近は、上記の世田谷のような例も出てきた。アクトスのケースは世田谷と違って、人命にも関係してくる問題だ。欧米のように、きちんと問題解決のために被害者が、金銭目当てでなく訴訟を起こすのが社会のために良いのかもしれない。