「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「イスラム国」の114,000の動画

2014-10-29 05:43:17 | Weblog
「イスラム国」領への米国などの国際有志軍の空爆が始まって1か月経ったが、戦闘は一進一退しているようで判らない。米国防総省の発表によると、米国は8月5日から10月16日までの2か月余に5億8千万ドルの巨費を使っている。一体、現地では何が起きているのだろうかー。一方、欧米各国では「イスラム国」に共感したテロまで起き、日本でも戦闘員に参加したいという若者まで登場してきた。

「イスラム国」に関する動画が114,000もある。「イスラム国}はなかなか動画が好きなようで、最新の一つでは人質の英国人ジャーナリストを使って、現地の戦闘が「イスラム国」側に有利だとルポさせていたが、大部分はイスラムのジハード(聖戦)に参加した若者たちの勇敢な訓練だとか人質の処刑寸前の模様である。あまり、指導者の声明とか、国が何を目指そうとしているのかは見当たらない。

動画の中には「イスラム国」の版図を示す地図があるが、シリアとイラクの一部である、それが全部「イスラム国」が制圧した地域であるかはわからないが、かって植民地時代、宗主国の英国やフランスがが勝手に線引きしたものではない。この中にはイラク第二の都市、モスルやシリアの古代遺跡に富むアレッポも入っている。また石油利権に富む地域である。

「イスラム国」とは何なのかー。昔読んだ「アラブ人の気質と性格」(サニア・ハマネ著 笠原佳雄訳 サイマル出版)には「イスラム国家は一種の社会主義共和国かもしれない。イスラムには君主の座はなく、世襲継承も認められない。それは僧侶も教会寺院もない神権民主主義である」「国家は寺院であり、その中で信仰の領域を守り、拡大し、信者の面倒を見る」いまの「イスラム国」の性格に多少何か参考になるだろうかー。