バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

劇遊び

2008年02月22日 | 日々の出来事
バンビの通う幼稚園では、この時期「劇遊び」というのが行われる。まぁ他の幼稚園でいえば、年度末の発表会みたいなもの? 

クラスを2つのグループに分けて、まず何を演じるか絵本のタイトルだけを担当の先生が決めたら、後はどう表現するかは先生と子ども達が毎日の遊びの中で相談しながら作り上げていく。
よく発表会の衣装にお金をかけて親が必死に作らなきゃいけない幼稚園の話を耳にするけど、この幼稚園ではすべて先生と子ども達の手作り

”劇で演じることを遊ぶ”だから劇遊び。ガチガチの発表会と違って、もっと自由で、ゆるーいカンジ。

バンビのグループのテーマは「ゆうちゃんのみきさーしゃ」という絵本で、ゆうちゃんがお菓子の缶からできたミキサー車のおなかに詰めるものを探しに森へ行き、蜂から蜜を、ニワトリから卵、牛からミルク、サルから果物、クマから雪をもらい、最後にそれを混ぜたらアイスクリームになってみんなで食べるというお話。

事前に先生から「バンビくんは牛の役です。もーっと鳴いて、じゃーと牛乳を入れます。」と聞いていたから、まぁそれくらいならできるかなとは思っていた。
あと「退席の時お母さんを見ると一緒にいたくなって泣いてしまうので(実は過去に前科あり)姿を見られないようにピアノの影から見てください。」と言われてもいた。(なので残念ながら写真を撮れず...。)

そうやってのぞき見るようにしていたら、バンビは牛乳パックに紐を付けたのを肩からぶら下げた仔牛で、親牛役の年長さんのお姉ちゃんの背中に乗って登場。予想外の姿に会場大ウケ。私もびっくり!

動物達は皆ゆうちゃんがほしいものを”一緒に遊んでくれたらあげる”と言うんだけど、牛の時は仔牛のバンビがゆうちゃんと親牛さんに片腕ずつ取られて”にゅうめん・そうめん・冷そうめん”という遊びをしてもらう設定になっていて、バンビはとても嬉しそうだった。

牛乳をミキサー車に入れる時もほんとはパックごと入れるという設定だったようだけど、モノを話したがらないバンビがイヤがると親牛さんが「じゃあ持ってていいよ。」と言ってくれたので、それ以上グズることもなく進んでほっとした。

ちなみに、クマの時は”鬼ごっこをして捕まえたら”と言うんだけど、実はゆうちゃん役の子は脳性マヒで足が不自由。だからクマの親子は片足ケンケンをしていて、そうやって一生懸命追いかけっこをする姿がなかなか感動的だった。


最後にゆうちゃんがアイスクリーム(綿で見立てていた)を分けてくれる時、バンビは”もう1回”サインを2回も出し、進行役の先生に”それは欲張り過ぎですよー。”と言われてしまったけど、会場は大ウケ。

無事終わった時はただただほっとしたけど、何だか感動して涙も出てきてしまった。

この幼稚園に入れてほんとに良かったなー。
ここでなければきっとバンビはただ他の子のやるのをぼーっと見ているだけで、お母さん達にも”あの子って?”と思われて終わったかもしれない。
でもここでは障害のある子もその子なりにできることで参加させるよう工夫してくれるし、お母さん達も「良かったねー。がんばってたねぇ。楽しそうだったねぇ。」と笑顔で声をかけてくれる。そういうことがすごくありがたい。

終わった後もバンビはほんとに嬉しそうだった。きっと自分もちゃんと参加できて、楽しかったに違いない。良かったね、ほんとにがんばったね バンビ。

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