バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

差別とか分断とかの話

2016年09月08日 | 障害児の親
今年の24時間テレビは Eテレが「バリバラ」をぶつけてきたので
”感動ポルノ”論争で ネットでもずいぶん盛り上がっていたようだけど...。

24時間テレビを見て、一般の人が
”障害があるって大変なことで、それに比べたら自分達は幸せだ。”っていう感想を持つことに
障害者の家族が ”それは障害者に対する差別だ!”と憤慨している声もあった。

でも、私もそう思ってたんだよ。
自分が障害者の親になるまでは。

そこに差別の意識があったかと言えば... うーん、差別とまではいかなかったんじゃないかと思うけどなぁ。
ただ、その時点では 障害者は自分とは違う世界の人 という意識はあったかもしれない。

今なら 人は誰でも障害者になる可能性があって、健常者と障害者は別に異なる世界に住んでるわけじゃない
ってこと わかってるけどね。


だから、健常者が障害者についてコメントした時に
例えそれが自分には気に入らない言い方だったとしても、すぐ”差別だ!”って糾弾するのは
控えた方が賢明なんじゃないかと思ってる。

そう言われてしまうと 言われた方は口をつぐむしかなくて、もう何も言えなくなる。
そして、触らぬ神に祟りなし じゃないけど、もう関わるのをやめようと思うだろう。
関心を持たなくなり、あたかもそこに存在しないかのように無視を決め込むようになるだろう。

差別もイヤだけど、それより無関心の方がもっと障害者を生きずらくしている元凶のような気が
私にはするんだけどな...。


ちょっと前(9月4日)だけど、朝日新聞のMOM'S STANDという子育て世代向けのコラムに
「障害のある2人を育てて『特別な場所で克服させるより』」という記事が載っていた。
朝日新聞デジタル

大手新聞にこういう記事が載るようになったんだなぁ と思うと感慨深いけど。

で、その中に
(就学で)「いったん分離されると『合流』は本当に困難。
大人が時折設ける『交流』では、友達になるどころか、関われない存在だと再確認させる面もある。」とあって

私が普段もやってるのも、まさにそこのところだよなー と大いにうなずいてしまった。


幼稚園や保育園までは一緒に過ごしていたのに、就学時に特別支援教育の名のもとに分離されると
待っているのは お情けみたいな「交流」のみで(もちろん環境によって違うかもしれないけど)
そこで 奇声あげたり、ふらふらしてようものなら 
「あの子なんかヘン。なんかヤだ。」って気持ちを抱かせるだけに終わる。
「もしくは 今日障害の子と一緒に給食食べるから、優しくしてあげなくちゃいけないんだよね。」みたいな?
それ どっちもダメじゃん って思うけど...。

そうかと言って、無闇な(適切な支援なき)インクルージョンも同じこと。
ただ一緒にすればいいというわけじゃない。そういうのはお互いに不利益をもたらしかねない。


でも、一緒にいられるところは一緒にいて
世の中にはいろんな人がいること、みんなそれぞれに家族がいて同じ地域で暮らしていること
この子達は何が苦手で、でもどうしてあげたらできるようになるか
そんなようなことを 生活の中で感じて、学んでくれたらいいな と思う。
多様な人の存在を認められるということは、すなわち自分もまた認められるということなんだと。

お互いを認め合う。
差別だとただ糾弾するんじゃなくて、そういう感情を持つのも今はやむないことだと受けとめる。
真に差別を解消するには まずそこら辺からじゃないかと思う。


何度も書いてるけど、バンビが通ってるミニバスケのクラブは健常児と障害児が一緒に活動していて
重度の子が立ちすくんで動かなくなっても、ふらふらとどこかに行っても、奇声をあげても
健常児が何気なくそばにいって声をかけたり、手をつないで誘導したり
そういうことを当たり前のようにやっている。

身体の大きい子が急に手を打ったり、足をバンとやって大きな音を鳴らしたりしても、誰も驚きも怖がりもしない。
怖くないことを知っているから。
ここのOBの子はたまにボランティアで来ても、障害児に対して分け隔てなく接していると思う。

やっぱり学齢期がいちばん大事なんだよね。
せめて小学校のうちは大きく分離せずに どの子も共に育ちゆく環境が整えば
この世の中は随分と変わるような気がするんだけど、どうだろうか。

メールはこちらまで → yakkoxhs@gmail.com

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