バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

見えない壁 ~保護者同士の軋轢~

2016年09月08日 | 障害児の親
ひと言で障害児と言っても、知的には軽度の発達障害から重度、それも身体との重複障害のお子さんまでいろいろいて
その中でバンビは 特別支援学級に通うにはちょっと厳しく、支援学校では物足りないかもなぁ という
中度の子だと思ってるんだよね。。
だからこそ 軽度・重度どっちの状況も、あるいは保護者の気持ちも わかるところがあり、また わからないところがあって...。


それで これがまたね。
障害児の保護者同士にもお互いいろんな感情があるんだなぁ って思わされること多々あるんだよね。
(いやぁ、かなり言葉を選ぶなぁ...。)


PWSの親の会だと、症状というか状態に多少の重い軽いはあっても、所詮みんな同じ悩みどころを抱えているので
そう複雑ではないと思うんだけど(それでも時々軋みを感じることがあるのは事実)

これが地域の障害児の保護者の集まりとなると、それこそいろんな障害があっていろんな育ちがあるわけで
特に 軽度の子の親と重度の子の親の間に、あるいは 若い親と高齢の親の間に、埋めがたい深い溝があったりして...。


例えば、軽度の子(なりその保護者)が重度の子を見下す という話。
いや、ほんとに見下しているのか ただ受け取る方が見下されてると思ってるだけなのか
それも状況によると思うんだけど。

「大変ね。」っていう言葉とかね。

前にも書いたように、例えば重度の子を見て ”大変だな。うちはまだ軽い方なんだ。”って思うのは
人としてありがちな感情で、別に重度の子を貶めて見ているってばかりでもないと思うんだけど
ただ言われた方は やっぱり不快に感じるだろうね。

実際、健常・障害者に関わらず、相手を見下すことで自分の優位を保とうとする人 たくさんいるしなぁ。


そして、逆に 重度の子の保護者から聞くこんな言葉
「うちは将来、福祉の恩恵に預かれるけど、軽度の人は後で苦労するんだから 今に見てろと思って笑ってるわ。」

確かにそういうことあるんだろうし、言いたくなる気持ちはよくわかるけど、でも私は笑えないよ。
同じ障害児の保護者同士でそういうのって なんか悲しいなぁ...。

それとか 職業学科のある特別支援学校の高校のことを
(普通の知的障害児ならほぼ誰でも入れる高校と違って、試験に合格しないと入れない。一般就労を目指すハイレベルの高校。)
「○○(学校名)様」とあえて様付けで呼んで揶揄したり とかね。

そういうのを耳にすると、なんかいや~な気持ちになるんだよね。


わかるんだよ、私も。
そういう一見どこに障害があるんだかわからないような子達と、バンビは毎日を一緒に過ごして、彼なりに苦労してるし。

”障害児の中のエリート”の子達を前に、「どうせ、うちの子は障害重いですよ。」って、言いたくなることがないわけじゃあない。
(この「どうせ」って言い方、すごい卑屈なカンジで嫌いだけど。)


でも、彼らには彼らの それなりの苦労があって
みんな 生きにくいものを抱えて生きているし、親も育てにくさを感じながら育ててきてるわけでしょ。
そこは同じはずなんだけどねー。

だから、同じ障害児の親同士で そんな風に言い合ってても何になるんだろう? って思ったりするんだけど
きっと”同じなんかじゃない”って、どちらからも言われちゃうのかなぁ?

うーん、ほんと難しいよ。



それとか 先輩ママさんに言われるのが
「あなた達はいいわね。福祉も教育も医療もこんなに充実してて。私達の頃はほんとに苦労したわ。」って...。

これもすごーくよくわかるし、私もついつい今の若いお母さん達を見て言いそうになってしまうのを自戒してるけど。(言っちゃってるか?)
でも、これ言われてもどうしようもないし、イヤな気持ちになるだけだよね。
まぁ、そこはもう大人なんで 「ほんとに大変でしたでしょうねー。」って受け流すこともできなくはないけども。

特に高齢の親御さん達は、若い親達がアクティブに活動しているのを見ると何だかもやもやとした気持ちになって
活動から離れていく人も出てくるから そこは注意して と
私も あちこちから釘を刺されてはいるんだけど...。


うーん、これまた悩みの種。
いや、わかるんだけど、わかるんだけど、それ言われてもつらいわ...。


障害者同士で 自分(とその仲間)以外の人を理解しようとせず、多様性が認められないとしたら
なんで 健常者に自分達を理解したり、認めてもらおうと思えるのかな?
そんなの余計難しいじゃない。共生社会なんて遠い夢・幻の話だよね。


でも、これが頭で理解できていても、感情はまた別 ってとこもあってね。

だから ”みんなのために!”と思って走り出しても、ふと振り返ったら後ろに誰もいなかったり
ヘタしたら 後ろから刺されたり(って刃物でじゃないけど)しかねない。

こういうのって、なかなか一筋縄でもいかないし、一朝一夕にできるもんじゃないし。
いや、ほんと。いろいろ人生の勉強させてもらえる課題で。


それでも、目の前に立ちふさがる壁を 1つひとつ打ち壊して前に進むしかないんだよね。
頑張れ、私! Go!

メールはこちらまで → yakkoxhs@gmail.com

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