喫茶 輪

コーヒーカップの耳

森銑三氏

2021-01-04 17:18:06 | 本・雑誌

〇 『書物』だが、著者の一人、森銑三氏は若いころ、図書館講習所に一年間居たとある。
そして、図書館に勤めたこともあると。
《若い頃に図書館に勤めて、古い書物の恰好だけでも知っておくのは、大いによいことではあるまいかと思っている。》と。
時代は少し違うが、宮崎修二朗先生と同じだ。

〇 《書物愛護の精神は、これを子供のうちから植え付けたい。それには子供に与える絵本の類にしても、少しは高価になろうとも、内容外観共にすぐれたものにして、そのよさを子供自身にも分からせて、それによってその本をも鄭重に取り扱う気持ちを養わせたい。(略)書物を愛護する習慣を子供に養わせるのには、やはり大人の方から範を示すのでなくては効果がないであろう。》
ほほう、と思う。
わたしの親は本を読む人ではなかった。
家の中に書籍らしいものは子供時代見なかった。
わたしは長じて、コンプレックスから読書に親しんだのだが、それが習慣になってしまった。
さてわたしは、自分の子供にはどうだったか。
振り返って思うに、わりにちゃんと範を示したと思っている。
感謝しろよ。

〇 『書物』の森銑三さんの「結び」の言葉。
《書物愛護の精神――最後に今一度この言葉を繰り返しておこう。この言葉をほんとうに理解する人とのみ書物について談ずべきである。真に書物を愛する人は、敬虔な心の持ち主であらねばならぬ。また敬虔な心の持ち主にして、始めて真の書物愛好家たるべきである。》

ハイ、心いたします。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 明石さんのお通夜式 | トップ | 千村克子その後 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

本・雑誌」カテゴリの最新記事