今読んでいる本『幸田家のしつけ』(橋本敏男・平凡社新書)に、「露伴語録」として興味深い言葉が。
―先生と呼ばれるにはそれだけの心構えがいる。惜しい時間も割いてあげようし、親切心も分けようというものだ。おまえ、おれの間柄とはわけが違う。わたしの今までに先生と呼ばれて、ほんとうに気もちよくうけとれたことは多くないのだ。(『ちぎれ雲』所収「すがの」)―
?露伴は人が安易に「先生」と呼びかけてくることを批判した。いたずらなおべっかを嫌ったのだ。文(あや)には、人を先生と呼ぶなら、よくよく気をつけて押し太いところのないように、上滑りしないように、人を先生と呼ぶことを恥じないだけの資格を整えてからにしてもらいたい、とクギをさしている。
なかなか奥深いことが書いてあります。宮崎修二朗翁もこのような考えをお持ちでした。うっかり「先生」と呼ぶと叱られたもの。今は、許して下さってますが。
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