喫茶 輪

コーヒーカップの耳

藤沢周平の『一茶』

2018-03-25 08:54:50 | 本・雑誌
kohと行ったブックオフで買った本、『一茶』(藤沢周平)を読んでいる。

一茶の評伝は以前、田辺聖子さんの『ひねくれ一茶』という大部のものを読んだことがあって、大変面白かった。
藤沢さんの『一茶』は今、半分少し読んだところだが、これもまたおもしろい。
田辺さんのとはまたい違った味がある。
田辺さんのは初めから一茶の俳句がバンバン出てきたが、藤沢さんのは今のところほとんで出てこない。
しかし中にこんな句があった。
  我おやの死ぬる時にもへをこきて
なんともおかしな句であるが、わたしは実は悲しい句ではないかと感じた。
そのあと読み進むと、やはり《仔細に読めば、そこには親の死という人生の大事をひかえながら、その厳粛さを裏切る人間の生理のかなしみのようなものさえ浮かび上がってくる。》とある。
ところがこれは一茶の句ではない。犬筑波という一茶に影響を与えた人の句。
というわけで、今のところ、一茶の句はほとんど出てこない。
因みに一茶は生涯に20000句を詠んだという。

追記 昨夜(3/25)読み終えましたが、後半は一茶の句がたくさん効果的に使われていました。
一茶の一筋縄ではいかない人生が語られていて、その強烈な人間性が浮かび上がっていました。
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