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コーヒーカップの耳

レスリング

2021-08-03 15:32:04 | 完本 コーヒーカップの耳
オリンピックの時しか見ることのないレスリングをテレビで見ていて思い出した。
『完本コーヒーカップの耳』に登場する原さんの「レスリング」。
その後半です。

《俺がグレずにすんだんは レスリングやなあ。高校でレスリングに熱中したんや。(略)インターハイで四位になったことがある。その時は惜しかったなあ。これに勝ったら三位以内が確定という試合で 審判のミスで負けにされたんや。俺はグレコローマンスタイル(下半身は使えない)やったんやけど 相手を完全に抱え上げて 後はフォール勝ちというときに そいつが足を思いっきりバタバタさせよって それが俺の足にからんで倒れてしもたんや。グレコは足使たら反則やから その時点で俺の勝ちや。そやけど審判が見落としよった。世の中 なんぼ真面目に清く正しくやっとっても報われるとは限らんからなあ。まあ相手にすれば 最後まで諦めずに頑張ったらエエことがあるということやけどな。そやけど俺は 後になって思た。あの時 勝たんで良かったと。もし優勝でもしとったら 誘われて大学に行きたくなったかもしれん。それは俺には耐えられんことやから。今 こないして たまに売られたケンカを買うてるんが 俺には似合うてるんやな。》

「大学に行きたくなったかも…」ということの事情は前半にあり、そこがこの話の核でもあるのだが、それは省略。
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