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『道頓堀の雨に別れて以来なり』

2015-08-23 18:16:20 | 本・雑誌
何度も紹介している本、出久根さんの『書棚の隅っこ』だが、「天保銭」という項に田辺聖子さんの『道頓堀の雨に別れて以来なり』のことが書かれている。
わたしはもう10年ぐらい前に文庫本を読んだ。川柳作家の時実新子さんに「読んだ」と伝えたら「よくもあんな長いものを」と感心された。文庫本はサイコロのように(ちょっと大げさか)分厚いのが上中下と三冊なのだ。
出久根さんは書く。
「上下巻600ページと700ページの、ずっしりとした本である。」
内容は、川柳作家岸本水府の伝記だ。しかし出久根さんは「私はむしろ田辺氏の新手法による長編小説と読んだ。」という。
正にその通りでしょう。わたしもワクワクしながら読んだ。そして出久根さんはこうも言う。
「私は、独断ながら、本書は田辺氏の最高傑作と見る。」と。その理由も書かれているが、うれしいなあ。わたしもそう思う。
なんか出久根さんの呼吸がわたしに合う。
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