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コロナ禍以降 ロケのあり方がガラリと変わってしまった
人同士は近づけないし
マスクやフェースシールドは必須だし
体育館にお客を入れることもできない
色々あるが
この半年間 最も厳しかったのは
海外ロケができないことだ
海外のレースを取材したくても
放送局のガイドラインでは
未だ海外渡航してのロケは許されていない
どうすれば良いか?
選択肢は1つだけ
海外のクルーにお願いするしかない
取材した選手が出場するレースを
全て取材することはできない
それには莫大な資金がいる
何度か狙いを定めて いくつかのレースに絞り
海外のクルーにお願いしてみたが
絶望的なほど 撮れていなかった
赤字だけが残って 番組は放送できないとまで思った
撮れ高が低い理由は
そのクルーに「自由」を残していたためだ
つまり 「○○選手のスタートを撮ってください」
とだけ伝えたら
そこには相手の感覚が介在する「自由」がある
スタートをどこから撮るのか
狙う選手のアップから ズームアウトして撮るのか
固定カメラで撮るのか
広めの絵で 選手全体のスタートを撮るのか
その場にいないとわからない空気感を大事にするために
あえて自由を残してオーダーしていた
我々の感覚では
・スタートラインに並ぶ○○選手
・あわよくば選手に気持ちを聞く
・その選手がスタートする
最低限これぐらいの撮れ高を想像する
だが 海外のクルーというのは
全ての感覚が違うもので
上の3つのどれ1つ撮れてなかった上に
だいぶスタートから離れた地点で
なんとなく走っていく集団が写っているだけだった
しかも選手全員が通過する前に
カメラのスイッチが切られた(笑)
素材を見て
ため息が出た
前にも幾度となく書いて来たが
作品作りというのは 完成度が全てだ
「撮るのが難しかったんです」といって
内容のない作品を垂れ流して許されることはない
テレビ番組を見ていて
どうもつまらないなあと思っていたら
「海外ロケができませんでした」とか
「海外のクルーがトンチンカンでした」とか
テロップが出たのを見たことがない(笑)
それを出したら
「ああ それじゃあ仕方ないな」
なんて 視聴者が許してくれるわけもない
私は 鬼になった
時間とやることを全て
事細かに書き送ってやったのだ
例えば 選手が会場入りするところを撮りたい場合
選手が泊まっているホテルと
選手バスが集まる場所をチェック
当日の交通整理の情報を調べ バスの動線を予想し
選手がやって来るであろう方向を確定
三脚を立てる場所をグーグル・ストリートビューで探し出し
「この写真のフェンス側に三脚を立て 会場入りする選手バスに合わせて左から右にパン(横にカメラを振りながら撮影すること)」
「パンして見送った後は 10秒数えてからカット」
という具合に指示を書いた
1カット撮るために これだけのことを調べる必要がある
それを丸1日 レース前からレース後まで
膨大な指示書を送りつけた
書くのに 頭フル回転で
18時間ぐらいかかった
脳ミソは 熱くなるのだとよく分かった(笑)
結果は…
それでもいろんなミスが出てしまったが
これまでよりは上手くいったかな
コロナ禍にあると 仕事量が増えるということが
少しお分りいただけましたでしょうか(笑)
身体には気を付けて、日々お過ごしください。楽しいライドの企画が出来たらお誘いしますね!
レースがなかったから、今年は会わなかったね(笑)
今度ライド企画たのみます!