600kmを走ってきました
まさか300kmの2週間後にやるとは思わなかったでしょ(笑)
ブルベ(主催者が決めたルートに沿って走る走行イベント)には
200km
300km
400km
600km
1000km
というカテゴリーがあり
200〜600kmを全部クリアすると
「SR」という称号がもらえる
1000kmにチャレンジできるのは「SR」保持者だけだそうで
私もそのSR獲得のために仕事の隙間を縫って走っている
ブルベは全てが「自己責任」で
アクシデントを自分で解決する力が必要だ
それが旅を 冒険好きにとって魅力的なものにしているし
主催者は可能な限り安全に配慮した 走りやすく素晴らしいコースを選んでくれている
参加費は1,000円〜2,000円ほどで 主催者のかけた手間を考えると
まさにボランティアである
自転車旅好きには本当にありがたいシステムだと思う

ブルベ本番の前日まで 紀伊半島でロケハン(下見)していて
山道を300kmも走ってしまった
仕事だから手を抜くわけにいかなかったが
もうちょっと休んでブルベに挑みたかった(泣)
イベント前日 岡山県倉敷市へ

荷物を3日間おきっぱなしにできるマンションを
Booking.comで予約

どのウェアで走ろうか…
天気予報は
1週前までは快晴だったが
前日に雨になりやがった(笑)
最低気温10度〜最高25度に対応できるよう
守備範囲の広いX-BIONICのインナーに
メリのウールの長袖と ゴアテックス・インフィニウムの長袖をチョイス
さらにアウターとしてゴアテックスの上下
キャップもゴアテックス
シューズカバーは最強のヴェロトーゼ(第2世代)を準備した

サドルは今回から SYNCROSのSAVONA 女性用サドルに変更
女性用は幅が1cm広いのだが 全く問題なかった
前のふかふかサドルは 前乗りになると骨盤が安定せず苦労したが
これはバッチリ安定する
やはりサドルはそれぞれ設計思想があり 性能が全然違う
ここでいきなりアクシデントが

マジか〜
前輪がパンクしているではないか
フィリピンの旅から昨日まで まったく平気だったのに
ここにきてパンクかよ(笑)
「DNS」という言葉が頭をよぎる
重い荷物を持ってきただけで終わらせてたまるか

ロケハン終わりから倉敷に向かう際
ふと思いついて マクハル(タイヤ内の空間を密閉する液ゴム)の小さいボトルを放り込んできた
この少量でタイヤを再密閉できるか?
タイヤの片側をホイールから剥がし
シーラントを丁寧に流し込む
ここから先が大変だ
小さな携帯用ポンプでタイヤのビードが上がるのだろうか?
ダメだったらCO2ボンベを1本消費かと思っていたら
簡単にビードは上がった
これはフックレスホイールの最大の恩恵だ
10分ぐらい シーラントが全体に行き渡るようにホイールを回し続け
空気がピタッと抜けなくなった
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この段階で こんな面倒が持ち上がるとは…
これは何かが起こる予感しかしない(笑)
午前1時 就寝
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当日 4時10分起床 寝坊した
12km 30分走ってスタート地点へ
すでにブリーフィングが終わり 5時スタート組が次々と出発していた
受付のお姉さんが ブリーフィングで伝えた情報を教えてくれた
「折り返し地点の少し手前に 暗く寂しい道を通るのですが
夜中なのでそこは通らず国道を直進しても構いません」
世の中にそんなに寂しい道があるのか?
楽しみだ
5時10分 参加者の最後尾でスタートした

岡山県倉敷市を出て しまなみ海道を渡り四国へ
愛媛と高知の県境近い 宇和島までの往復604km
制限時間は40時間だ
途中 休憩のために宿を予約した
290km地点と340km地点の往復で通過する
西予市の古い旅館だ
ルートから外れた宿は 通過してしまう恐れがあり避けたかったのと
お遍路さん御用達の宿に泊まりたかったのだが…
これが大変なことになるのだった(笑)

スタートしてすぐ 朝日が昇ってくる
腰の状態はだいぶ良い
寝坊で朝食が食べられなかったので
持ってきた「くるみ餅」を走りながら3本食べる
600kmの消費カロリーは ガーミン先生によれば14,000kcal
だが自分の経験だと10,000kcalほどだと思う
50kmに一度休憩をとり 500kcal程度の補給をする
走りながら2時間に100kcalほどモグモグする
そして行けるところまで固形物で補給を続けるのが目標だ

26km地点 通過チェックポイント
愛車と看板など 指定されたものを撮って
ゴールで通過証明として見せるのだ
撮り忘れたら…全てがパーになってしまう
くわばらくわばら…

今回の主催者も 粋なコース設定をしていて
尾道で 船がコースに組み込まれている
うまいこと船のタイミングにはまり 先行していた参加者に追い付いた
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通行料 210円(人+自転車)
地元の人も乗っていらした
暮らしの中に船があるなんて素敵だ

雲行きが怪しくなってきた
予報は午後から完全に雨になっていた
おそらく200km地点の松山を過ぎたあたりで降り出し
半日ほど降り続くようだ
旅館の休憩と雨のタイミングを合わせられると最高なのだが

下船して 参加者のトレインに着かせてもらう
上りでパワーが上がり 下りと平坦で下がる
これではインターバルになってしまい かなりキツいので
早々に離れ ひとり旅を決め込んだ
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良い道をチョイスするなあ
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とても気分が良いので
時間を忘れてのんびり走る
この時間がずっと続いてほしい
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造船所
とにかくデカい
船の世界にも 省エネやスピードアップなどの技術革新はあるのだろうか?
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58km地点 鞆の浦
一度来てみたかった場所だ
10年ほど前 同じように昔ながらの風景が残る山口の萩の人に
こうした街並みが残っているのは
「発展」から取り残されたためだと言われたことがある
かつては経済成長から取り残されたと感じ
今までの暮らしを続けてきた場所が
歴史的価値のある場所と言われるようになり
観光客が訪れるようになった
思うのは 時代とともに変わってしまう価値観ではなく
自分の中の動かない価値観を大事にしてきたいものだ

100km地点
しまなみ海道に突入
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実は初・しまなみ
これだけ巨大な橋梁なのに
鉄骨が細い つまり橋が「薄く」造られているのに驚いた
鉄骨の素材にも良し悪しがあって
おそらく最高の素材で造られているのだろう

この景色は 人々の工夫の歴史がくれた
贅沢なプレゼントなのだ
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走り方が上手な ペースが合う参加者と一緒に走る
穏やかで クレバーな印象のあるナイスガイ・北村さん
ケツと脚があきらかに「速い」と語っていたが
北村さんからすれば 私は一目見て「自分より速い」と思ったという
面白いもんだ

この区間が暴風雨じゃなくてよかった(笑)
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来島海峡大橋
橋の造形がすばらしかった
ドリンクがなくなったので コンビニへ
北村さんと「またどこかで」とお別れした
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補給
胃も腰もまだ大丈夫だ
すごく速い 岡さんという女性の参加者とも一緒に走った
「ダラダラ長く行くのが好き」だというが
ケイデンスがめっちゃ高かった
しばらくピッタリ後ろについて来ていたが
「ここからは自分のペースで行きます!」と
元気よく千切れていった
またどこかで走りましょう
その時はもう少しペース合わせますね(笑)
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212km地点 第1チェックポイントの愛媛 松山
参加者たちが 雨の準備を始めながら
「雨雲がヤバい」と囁き合っていた
いよいよ来るか……
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近くの公園で 雨対策をする
ここでまさかの出来事が
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破れやがった(笑)
これから10時間以上 雨の中を走るというのに……
ここから水が染み込み あっという間に右足は水没だ
気分が一気に落ち込んだ
だが これがブルベの醍醐味である
ここからリカバーしてナンボなのだ
シューズカバーを入手するのは現実的ではない
この街で手に入るもので 対策の可能性があるのは
①台所用手袋を足先にかぶせる
②ビニール袋を足先にかぶせる
③サランラップでぐるぐる巻きにする
④ガムテープでなんとかする
①は可能性を感じたが 足先に5本指がぷらぷらするのが気味悪かったので却下(笑)
②は耐久性に難あり
③と④は上手くやれば できるかもしれない
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コンビニで養生テープを入手
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露出した足先の通気孔をふさぎ
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その上から 破れたヴェロトーゼをぐるぐるに固定した
行けそうな気がしないでもない
雨が降り出し やがて本降りとなった
果たしてどうなるのか?
ここからが 想定外の地獄の始まりで
ラストには大どんでん返しが待っていたのだが……
続きは後編で★
まさか300kmの2週間後にやるとは思わなかったでしょ(笑)
ブルベ(主催者が決めたルートに沿って走る走行イベント)には
200km
300km
400km
600km
1000km
というカテゴリーがあり
200〜600kmを全部クリアすると
「SR」という称号がもらえる
1000kmにチャレンジできるのは「SR」保持者だけだそうで
私もそのSR獲得のために仕事の隙間を縫って走っている
ブルベは全てが「自己責任」で
アクシデントを自分で解決する力が必要だ
それが旅を 冒険好きにとって魅力的なものにしているし
主催者は可能な限り安全に配慮した 走りやすく素晴らしいコースを選んでくれている
参加費は1,000円〜2,000円ほどで 主催者のかけた手間を考えると
まさにボランティアである
自転車旅好きには本当にありがたいシステムだと思う

ブルベ本番の前日まで 紀伊半島でロケハン(下見)していて
山道を300kmも走ってしまった
仕事だから手を抜くわけにいかなかったが
もうちょっと休んでブルベに挑みたかった(泣)
イベント前日 岡山県倉敷市へ
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荷物を3日間おきっぱなしにできるマンションを
Booking.comで予約
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どのウェアで走ろうか…
天気予報は
1週前までは快晴だったが
前日に雨になりやがった(笑)
最低気温10度〜最高25度に対応できるよう
守備範囲の広いX-BIONICのインナーに
メリのウールの長袖と ゴアテックス・インフィニウムの長袖をチョイス
さらにアウターとしてゴアテックスの上下
キャップもゴアテックス
シューズカバーは最強のヴェロトーゼ(第2世代)を準備した
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サドルは今回から SYNCROSのSAVONA 女性用サドルに変更
女性用は幅が1cm広いのだが 全く問題なかった
前のふかふかサドルは 前乗りになると骨盤が安定せず苦労したが
これはバッチリ安定する
やはりサドルはそれぞれ設計思想があり 性能が全然違う
ここでいきなりアクシデントが
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マジか〜
前輪がパンクしているではないか
フィリピンの旅から昨日まで まったく平気だったのに
ここにきてパンクかよ(笑)
「DNS」という言葉が頭をよぎる
重い荷物を持ってきただけで終わらせてたまるか
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ロケハン終わりから倉敷に向かう際
ふと思いついて マクハル(タイヤ内の空間を密閉する液ゴム)の小さいボトルを放り込んできた
この少量でタイヤを再密閉できるか?
タイヤの片側をホイールから剥がし
シーラントを丁寧に流し込む
ここから先が大変だ
小さな携帯用ポンプでタイヤのビードが上がるのだろうか?
ダメだったらCO2ボンベを1本消費かと思っていたら
簡単にビードは上がった
これはフックレスホイールの最大の恩恵だ
10分ぐらい シーラントが全体に行き渡るようにホイールを回し続け
空気がピタッと抜けなくなった
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この段階で こんな面倒が持ち上がるとは…
これは何かが起こる予感しかしない(笑)
午前1時 就寝
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当日 4時10分起床 寝坊した
12km 30分走ってスタート地点へ
すでにブリーフィングが終わり 5時スタート組が次々と出発していた
受付のお姉さんが ブリーフィングで伝えた情報を教えてくれた
「折り返し地点の少し手前に 暗く寂しい道を通るのですが
夜中なのでそこは通らず国道を直進しても構いません」
世の中にそんなに寂しい道があるのか?
楽しみだ
5時10分 参加者の最後尾でスタートした
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岡山県倉敷市を出て しまなみ海道を渡り四国へ
愛媛と高知の県境近い 宇和島までの往復604km
制限時間は40時間だ
途中 休憩のために宿を予約した
290km地点と340km地点の往復で通過する
西予市の古い旅館だ
ルートから外れた宿は 通過してしまう恐れがあり避けたかったのと
お遍路さん御用達の宿に泊まりたかったのだが…
これが大変なことになるのだった(笑)

スタートしてすぐ 朝日が昇ってくる
腰の状態はだいぶ良い
寝坊で朝食が食べられなかったので
持ってきた「くるみ餅」を走りながら3本食べる
600kmの消費カロリーは ガーミン先生によれば14,000kcal
だが自分の経験だと10,000kcalほどだと思う
50kmに一度休憩をとり 500kcal程度の補給をする
走りながら2時間に100kcalほどモグモグする
そして行けるところまで固形物で補給を続けるのが目標だ
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26km地点 通過チェックポイント
愛車と看板など 指定されたものを撮って
ゴールで通過証明として見せるのだ
撮り忘れたら…全てがパーになってしまう
くわばらくわばら…
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今回の主催者も 粋なコース設定をしていて
尾道で 船がコースに組み込まれている
うまいこと船のタイミングにはまり 先行していた参加者に追い付いた
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通行料 210円(人+自転車)
地元の人も乗っていらした
暮らしの中に船があるなんて素敵だ
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雲行きが怪しくなってきた
予報は午後から完全に雨になっていた
おそらく200km地点の松山を過ぎたあたりで降り出し
半日ほど降り続くようだ
旅館の休憩と雨のタイミングを合わせられると最高なのだが
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下船して 参加者のトレインに着かせてもらう
上りでパワーが上がり 下りと平坦で下がる
これではインターバルになってしまい かなりキツいので
早々に離れ ひとり旅を決め込んだ
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良い道をチョイスするなあ
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とても気分が良いので
時間を忘れてのんびり走る
この時間がずっと続いてほしい
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造船所
とにかくデカい
船の世界にも 省エネやスピードアップなどの技術革新はあるのだろうか?
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58km地点 鞆の浦
一度来てみたかった場所だ
10年ほど前 同じように昔ながらの風景が残る山口の萩の人に
こうした街並みが残っているのは
「発展」から取り残されたためだと言われたことがある
かつては経済成長から取り残されたと感じ
今までの暮らしを続けてきた場所が
歴史的価値のある場所と言われるようになり
観光客が訪れるようになった
思うのは 時代とともに変わってしまう価値観ではなく
自分の中の動かない価値観を大事にしてきたいものだ
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100km地点
しまなみ海道に突入
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実は初・しまなみ
これだけ巨大な橋梁なのに
鉄骨が細い つまり橋が「薄く」造られているのに驚いた
鉄骨の素材にも良し悪しがあって
おそらく最高の素材で造られているのだろう
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この景色は 人々の工夫の歴史がくれた
贅沢なプレゼントなのだ
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走り方が上手な ペースが合う参加者と一緒に走る
穏やかで クレバーな印象のあるナイスガイ・北村さん
ケツと脚があきらかに「速い」と語っていたが
北村さんからすれば 私は一目見て「自分より速い」と思ったという
面白いもんだ
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この区間が暴風雨じゃなくてよかった(笑)
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来島海峡大橋
橋の造形がすばらしかった
ドリンクがなくなったので コンビニへ
北村さんと「またどこかで」とお別れした
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補給
胃も腰もまだ大丈夫だ
すごく速い 岡さんという女性の参加者とも一緒に走った
「ダラダラ長く行くのが好き」だというが
ケイデンスがめっちゃ高かった
しばらくピッタリ後ろについて来ていたが
「ここからは自分のペースで行きます!」と
元気よく千切れていった
またどこかで走りましょう
その時はもう少しペース合わせますね(笑)
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212km地点 第1チェックポイントの愛媛 松山
参加者たちが 雨の準備を始めながら
「雨雲がヤバい」と囁き合っていた
いよいよ来るか……
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近くの公園で 雨対策をする
ここでまさかの出来事が
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破れやがった(笑)
これから10時間以上 雨の中を走るというのに……
ここから水が染み込み あっという間に右足は水没だ
気分が一気に落ち込んだ
だが これがブルベの醍醐味である
ここからリカバーしてナンボなのだ
シューズカバーを入手するのは現実的ではない
この街で手に入るもので 対策の可能性があるのは
①台所用手袋を足先にかぶせる
②ビニール袋を足先にかぶせる
③サランラップでぐるぐる巻きにする
④ガムテープでなんとかする
①は可能性を感じたが 足先に5本指がぷらぷらするのが気味悪かったので却下(笑)
②は耐久性に難あり
③と④は上手くやれば できるかもしれない
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コンビニで養生テープを入手
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露出した足先の通気孔をふさぎ
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その上から 破れたヴェロトーゼをぐるぐるに固定した
行けそうな気がしないでもない
雨が降り出し やがて本降りとなった
果たしてどうなるのか?
ここからが 想定外の地獄の始まりで
ラストには大どんでん返しが待っていたのだが……
続きは後編で★
しまなみ海道を並走させていただいた中国帰りの北村です。
前日に300走ってたんですね。驚きです。
帰宅後すぐにブログ検索してアップを楽しみにしていました。
後編もチャリダーも楽しみにしています。
そしてまたどこかでご一緒できたら嬉しいです。岡山広島お越しの際はぜひ!
面白すぎです。笑笑
無事を祈りつつ、ハプニングを期待する複雑な心境で後編も楽しみにしています!
スタート前からの機材トラブルお疲れ様でした、気候に合わせたウェアの選択が参考になります😊前編からブルベの雰囲気が伝わって今から後編も楽しみです。
週末の函館は快晴の予報です、私もブルベを楽しみますね。
いつも装備を参考にさせていただいてます。どこのだろう?と写真拡大して見たりしてます(笑)。
後編で明らかになるのだと思うのですが…シューズカバー、足裏のほうはふさがなくて大丈夫だったのでしょうか?
結局あのあと、最後までお会いできませんでしたね。
そしてさすがの速さでした。
次にそちらで走るのは、10月の四国一周になります。北村さんもぜひ★
今回は足裏に通気口がないシューズですので足裏は気にせずにすみました。
もう少し丁寧に紹介するようにしますね。
週末のブルベ、楽しんでください!
走った時に 通りました。
普通は 尾道水道の方から 尾道駅に行くのですが
裏ルート的で好きです。
後編 楽しみにしています!