キルギスの旅 ご覧いただき
ありがとうございました
今の自分にできる 全力の作品でした
ロケ前は 不安しかありませんでした
行ったことのない場所で
まともに自転車が走れるかどうかも分からず
キルギスの人たちがどんな反応をするかも分からない
そして一番の不安のタネは…
そう ジュンヤでした
撮影の経験はほとんどなし
旅の経験もゼロに近い
出演者をジュンヤにしたいと提案したとき
大勢に「大丈夫なのか?」と聞かれました
撮影って 独特のスキルが必要なのです
例えばカメラから常に表情が見える位置に立つとか
カメラの前を横切らないとか
とにかく「カメラが何を写しているか」を察知することが大事になります
だって 写せなければ番組になりませんから
心配のとおり
ジュンヤは最強に撮影が難しい出演者でした
しゃべっている時にひたすら背中を向けたり
食事の撮影なのに 撮影前に食べ始めてしまったり
スタッフの存在をすっかり忘れて走り去ってしまったり…
↑ずっと350Wで漕ぎ続けるジュンヤ
後ろの私の存在はすぐに忘れる
結局6日間の撮影が終わっても
カメラのことを考えられるようにはなリませんでした
でも
出来上がってみると とても素敵な番組になったのでした
もちろん編集は大変でした
でも 旅への強い気持ちを持った人が
本当に行きたかった場所を旅すると
こんなに素敵になるのかと気付かされました
↑ジュンヤに置いて行かれた私(笑)
↑電波がない場所が多いキルギス
初めて衛星電話を使った
↑ソンクル湖で出会ったフランス人たち
他にシンガポール人とドイツ人 ロシア人も来ていた
ドライバーの父っつぁん
まさかの雪で 標高3000mのソンクル湖を撤退するとき
道は真っ白で 車の轍はぬかるんで
四輪駆動車が何台も立ち往生していた
こりゃあ無理だと思ったその道を
普通のワゴン車の後輪を滑らせながら
素晴らしいテクニックで下山してくれた
鏡に映ったその表情が 真剣さを物語る
あと数時間 出発が遅れたら
そしてドライバーが父っつぁんでなかったら
ソンクル湖から戻れなかったと思う
↑撮影:アロマ
父っつぁんはずっと苦しそうな咳をしていた
たぶん肺気腫なんだと思う
きっと5年後に来たら もういない気がする
ありがとう 父っつぁん
もう一度会いたいけど 5年以内にキルギスに来られる気がしないよ
父っつぁんの運転は
安心してカーペーサーができた
さて
キルギスの旅をご覧になったみなさま
ぜひNHKに感想をお寄せください
皆さんの声が番組の力になります
よろしくお願いします
↑キルギスの空港職員(笑)
遠藤さんのコメントから、次の作品への活力をいただきました。
より素敵なものを目指して頑張りますね。